【薬剤師が解説!】メトトレキサート(MTX 商品名:リウマトレックス)を飲み忘れた!そんなときの対処方法とは?

飲みにくい薬の飲み方

飲みなれてくると飲み忘れはなくなってくるようですが、飲み始めは週に1回、2回の服用の為忘れてしまう方が多いようです。

投薬時によく聞かれるので、まとめてみました。

メトトレキサートはどんな病気に使う薬か

下記の病気に使用する薬です。

  • 関節リウマチ
  • 局所療法で効果不十分な尋常性乾癬
  • 関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症
  • 関節症状を伴う若年性特発性関節炎

メトトレキサートはどんな効果、副作用が出やすい薬か

効果

この薬は、葉酸代謝拮抗薬と呼ばれ、免疫機能をつかさどっているリンパ球や、炎症に関係している細胞の働きを抑えます。

異常な状態となっている免疫反応を抑えることで、関節の腫れや痛みの症状を改善します。

効果は他の抗リウマチ薬に比べて早く強力で、効果が出るのは通常2週間程度から1か月程度ですが、2カ月近くかかる場合もあります。

副作用

  • 免疫力を抑える為、風邪にかかりやすくなります。発熱(37.5℃以上)、咳(から咳)、息切れ、息苦しさ、のどの痛みが強く出るようであれば注意が必要です。
  • からだの浮腫み、尿の量・回数が急に減ったなどの症状
  • 口内炎
  • 吐き気

等の症状が出る可能性があります。投薬時によく聞かれるのは口内炎吐き気の副作用です。

かばこ
かばこ

副作用が出ている場合は分割回数を増やすことがあります。

口内炎はひどくなければ、うがい薬、口腔内塗り薬で対処できることがあります。

吐き気も軽度のものであれば胃薬や吐き気止めなどで対応できることがある為、我慢せずに早めに医師に報告しましょう。

メトトレキサートはどんな飲み方をする薬か

ご存知のように特殊な飲み方をする薬です。1週間単位で飲む量が決められます。

飲む量は医師が症状や体格、年齢などを考慮して決めますが、16㎎/週を超える事はありません。

8㎎/週以上服用する場合は2回以上、10~16㎎/週の場合は3(~4)回の分割投与が望ましいとされています(ただし、副作用の程度や症状によってはこの限りではありませんので、医師の指示に従ってください)。

出展:ファイザー株式会社 リウマトレックス患者向医薬品ガイド
出展:ファイザー株式会社 リウマトレックス患者向医薬品ガイド
出典:ファイザー株式会社 リウマトレックス患者向医薬品ガイド

なぜこのような飲み方をするか

一度にたくさんの量を服用することで、免疫異常のある細胞が増殖するのを防ぐ目的があります。

万が一毎日飲んでしまったらどうなるか

誤って連日投与すると、免疫を強く抑えすぎて骨髄抑制が起きる可能性があり、危険です。必ず5日の休薬をもうけるようにしてください。

飲み忘れた場合の対処方法

基本的には主治医に相談するか、1クール延期して次回の予定から服用するようにしてください。

かばこ
かばこ

週1服用なら次の日でも可能という医師もいますが、医師により見識が異なります。

データはありません。週2回で飲んでいる方、2日間忘れてしまった場合は基本的にスキップして次回から正しく服用するようにしてください。

朝、夕で飲んでいるが、朝起きるのが遅いので昼、夕になってもいいか?

分割して投与する場合は12時間ごとに投与することが望ましいとされています。

効果としては1回投与も出来る薬であるので問題がないように思われますが、副作用が強く出る可能性があるのでお勧めできません。

少なくとも10時間以上服用間隔をあけるか、念のため医師にそういった飲み方をしてもいいか確認をとりましょう。

空腹時に服用すると胃がもたれる可能性があるので、多めの水や軽食後に服用するようにしてください。

フォリアミンはいつ飲んだらいいか。

24~48時間後(次の日か2日後)にフォリアミンを投与するようにしてください。

もし、医師から飲み忘れた場合に次の日に飲んでもいい許可が出ている場合は、フォリアミンの服用時間も同様に一日ずらしてください。

フォリアミンは必ず処方されるわけではありませんが、8㎎/週以上の投与量の場合に副作用予防として投与されることが多いです。

注意点

サプリメントとしてもフォリアミンは手に入ります。マルチビタミンなどにも含まれていることがありますが、取りすぎると折角のメトトレキサートの効果を弱めてしまう可能性があるので、ビタミン剤を栄養剤として取っている人は気を付けましょう。

予防接種は受けてもいいか。

不活化ワクチン (インフルエンザ、肺炎球菌 など) は受けることが可能ですが、生ワクチン (BCG、麻疹、風疹、水ぼうそう、おたふくかぜなど) は打つことが出来ません

また、新型コロナウイルスワクチンは新しいタイプのワクチンのため、不活化ワクチン、生ワクチンのどちらにも属しません。基本的には摂取が可能ですが、念のため主治医に事前に確認するようにしてください(日本リウマチ学会のHP参照

まとめ

頻繁に投薬時に質問されることをまとめてみました。主治医が忙しすぎて聞きにくいこともあるのかもしれません。参考にしてください。

 

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