ブランクがある薬剤師必見!何を勉強したらいいの?実際に読んでよかった書籍

薬剤師関連の本

 

薬剤師の専門書って高いんだよね。しかもある程度大きな本屋に行かないと実物が見れない!大きな本屋でも場合によっては置いてない。そしてレビューが少なすぎて買うかどうするか迷う…という人の為に書きました。

ブランクの長さに応じて、ぜひ勉強法の一つとして組み込んでみてください。

どうしてこの分類になっているの?と思う人は前回の記事を参考にしてください。↓

卒業後一度も働いていない。もしくは5年以上のブランクがある人向け

出典:いらすとや

このタイプの人は、明らかに知識と基礎力が不足しています。

基礎を勉強することから始めたほうが良いと思います。

基礎→演習→応用の順がオススメです。

基礎編

薬が見えるシリーズ

vol 1~vol4まであり、一冊3600円程度と非常に高額なのですが、読む価値があると思います。

カラフルでかわいく、非常にわかりやすくまとめてあり、最新のものを買えば新薬も載っています。

今は学生も、このシリーズを国家試験対策に使っているようです。

必要十分な医療知識、成分名、商品名のどちらも記載があるので、じっくり読みこめば、かなり力がつくことは間違いないです。

大学時代、仕事をしていた知識を思い出しながら、全て覚えるというよりは、知識を整理してアップデートするのに使ってください。

抗がん剤のところは、薬局薬剤師では、この書籍のみでは頭に残らないので、とりあえずそこは読み飛ばしてもいいかもしれません。

薬局では、抗がん剤の深い知識を必要とされる機会は少ない為、勤めながら不足を補っていく形でも、十分間に合うと思います。

かばこ
かばこ

ブランク復帰直後の薬剤師に、いきなり抗がん剤の監査をさせる薬局もないと思います。

一番頻出する成人病関係(高血圧、高脂血症、糖尿病)の薬と腎臓のところは、必ずよく読み込んでください。

かばこ
かばこ

ここの知識が全くないと、本当についていけず、恥ずかしい思いをすることになります

単科目薬局から総合科目薬局に転職の際の勉強や、参考書代わりとしても家にあってもいいと思えるような本です。

病気が見える

病態の情報が欲しい場合は、こちらの書籍を手に取ってもいいですが、内容としては薬剤師が学ぶにしては難しいという印象を受けました。

お金に余裕があれば、辞書代わりとして自宅にあってもいいと思います。

研修医レベルの知識は網羅されていそうだな。と感じました。(実際研修医がどのくらいの知識があるのかは正確にはわかりませんが…)

薬の比較と使い分け

この本は6割から8割は頭に入れるつもりで読み込んでください。

仕事を始め、ある程度知識がつくと、書いてあることのほとんどが、基礎であることに気がつきます。

ブランクが長く知識がない状態だと、「へー、そうなんだ」と関心することが沢山書いてあります。

かばこ
かばこ

復職前に最初に読んだ本です。

へーと感心しながら読んでいました。

医師も知っている知識もほとんどなので、逆に知らないと恥をかきます。

参考にしている資料、論文等もきちんと記載があり、安心できます。

演習編

日経DIクイズシリーズ

言わずと知れた日経DIのクイズコーナーをまとめた本です。薬局薬剤師でこの本を知らない人はいないでしょう。毎月届くDIクイズをふむふむと読んでいた人も多いはず。

ただ、休職中は高額の為、読めていなかった人も多いと思います。そんな人も知識の再確認と定着の為に読んでおくことをお勧めします。

私はまとめたものを3冊買ったのですが、どのクイズも被っておらず、大変勉強になりました

日経DIのクイズは結構難しいので、ほとんど正解にたどり着けないのですが(今でもそうですし、他の方もそういってます)、解説がとても分かりやすく、この本で習ったことのお陰で現場で対応できたこともあります。

時間があれば3冊全て解いてみてください。もし時間がない場合はBEST100がおすすめです。

3年以上5年未満のブランクの人向け

出典:いらすとや

忘れてしまっていても、何かのきっかけがあれば思い出せるレベルの知識があるのがこの層の方々だと思います。先ほどもっとブランクの長い方におすすめした 薬の比較と使い分け日経DIクイズシリーズ も同じように得るものはあると思うのですが、あえてもう少し応用編を紹介します。

応用編

極める小児の服薬指導

子供をお持ちの方であれば、ぜひこの経験を薬剤師の仕事に活かしたいと思いますよね。

ただ、サンプルはわが子のみでは心許ないものです。子供と言っても人それぞれ個性や病気が異なるからです。

薬の飲ませ方、親へのアドバイスのみならず、小児で注意する薬、現場で役立つリーフレットなど盛りだくさんに情報が載っています。

著者は小児薬物療法認定薬剤師の資格も取得しており、少し専門的すぎる情報が多いようにも感じましたが、十分に現場で活かせる知識がつきます。

高齢者の安全な薬物療法ガイドライン

薬局に来る患者さんのほとんどは高齢者だと思います。高齢者は多剤服用傾向にあり、よく薬を確認しないと薬害を起こす危険性が高い患者さんです。

認知機能低下、転倒リスク上昇、腎機能低下に注意が必要な薬を中心に高齢者に投与する際は注意が必要な薬が、推奨度、理由と共にまとまってリストアップされています。

添付文書で禁忌でないから大丈夫というたった一つの指標だけでなく、禁忌でなくても、高齢者にリスクが高い薬が出ている場合には、投薬時にもよく注意して症状を聞き出すことが重要だと思います。気が付いた場合には早めに医師に報告することも大切です。

検査値×処方箋の読み方

検査値が最近処方箋に載ってくるけど、どういう視点でどのように活用したらいいかよくわからないという人向けの本です。

私たちは薬の専門家なので、医師にない視点で検査値を活用していかなければならないと思います。

医師は検査値は基本的に病気の進行や改善度合いを見る為に使用しており、薬の副作用かもしれないという観点ではあまり見ていません。

かばこ
かばこ

正確に言うと、見てはいますが、きめ細やかには見ていないイメージです。

その点に注意して検査値を確認し、気が付いた時には早めに医師に報告すると、より良い医療の提供に繋がっていくのではないでしょうか。

薬物動態を推理する55クエスチョン

薬物動態は薬局の薬剤師には扱いが難しい分野だと思います。

そもそもTDMを使わないといけないような注射薬は院外に出ませんし、のんびりと計算している暇もありません。またわかったところでどう活かせばいいのかもよくわからないものです。

ただ、定常状態になる薬とならない薬の違い、薬はいつごろ効いてきて、いつごろ効果が切れてくるのかという事は理論上でもわかっておいた方がいいと思います(臨床上の感じ方はそれぞれなので、必ずしも理論上の数字通り薬が効いてくるとも限りませんが…)

患者さんからもよく聞かれるので、添付文書の半減期、投与間隔から類推できると便利です。(医師の中には定常状態になる薬にもかかわらず、やたらと分1の薬を分2で出してくる先生がいて、コンプライアンス低下に繋がる例もあります。その場合は疑義紹介し、分2にする必要はないことを説明できるといいですよね)

ブランクは1年以内(育休中など)の人向け

出典:いらすとや

ブランクがあるといっても1年程度であれば、ほとんどの事は覚えている状態での復帰だと思います。

仕事をしているときには忙しくてゆっくり勉強する暇もなかったかと思うので、この休職中に少し勉強してパワーアップして復職できる本を紹介します。

薬局で使える実践薬学

結構難しめです。ベテランの薬剤師に貸してほしいと言われて貸しましたが、「無理だ」と言って返却されてきました。

かなり分厚く、参考書のような厚みがあり、ひるんでしまうような文章量です。

ただ、とても為になる話が多く、深くは理解できなくても、一読するとより深い薬の知識が身に付きます。どちらかというと日経DIクイズを更に深掘りした書籍です

ここで教えてもらったK値低下で致死性不整脈上昇のリスクが上がるという知識は大変役に立ち、先日他院でカリメート服用中でK値が下がりすぎた患者さんの薬を止めることが出来ました。

この時にただK値が下がっているから…ではなく、心疾患を持っているのでK値低下は危険だと伝えたところ、医師がすぐに患者宅に電話して止めてくれました。

異常値の読み方が身につく本

私の薬局では尿検査結果の記載もあるのですが、その読み方がさっぱりわからなかったのですが、これを読んで少しわかるようになりました。また、検査値を見たときに危険を感じないといけないポイントがわかるようになります。

パニック値をご存知でしょうか?どの施設にも基準があり微妙に異なるのですが、この数値を上回ったり下がったりした場合は、非常に危険性が高いといわれている臨床検査の数値の事で、再検査や入院対象になる数値です。簡単に言えば異常値という事です。

頻繁にはこの数値にかかった患者さんを薬局で見かける事はありませんが、働いていて数例危ない患者さんに遭遇し、疑義紹介やメーカーへの問い合わせに使わせていただいたことがあります。検査値から様々な病態を類推も出来るようになる為、お勧めの一冊です。ただ、これも難しめの為、完全な理解は出来ないと思います。

番外編

モチベーションアップのための本

薬剤師3.0

日本在宅薬学会 理事長でファルメディコ株式会社の社長兼医師の狭間研至先生が書かれている本です。

薬剤師に対して「対物ではなく対人」「医師のように問題を解決する姿勢を」と書籍の中で説いています。とても薬剤師の将来の事をよく考えていて熱い思いがあふれています。

少し医師なので「?」と思う発言もなくはないですが、「薬学の知識をもって問題を解いていってほしい」という熱い思いには心を打たれるものがありました。いまでも、ときどきこの本のセリフが頭によみがえります。

薬局になければ自宅勉強用に揃えておきたい書籍

新小児用量改訂版

薬局に置いてあって欲しいですが、もしなければ買ってでも持っておきたい書籍です。小児用量を調べるときに役立ちます。

腎機能別薬剤投与量POCKET BOOK

これも薬局に本来はあるべきだと思うのですが、置いてないところも多いようです。腎機能に対してどのくらいの用量を投与すべきか調べるのに重宝します。

OTC医薬品の知識と使い分け

薬の比較と使い分けのシリーズなのですが、ドラッグストアの経験はないけど、全く知らないのは薬剤師として恥ずかしい、投薬時にOTCの事を聞かれても答えられないなどの対策として買いました。

この分野の薬はドラッグストアでも同じような作用の薬を購入できるんだな、この分野の薬は圧倒的に医療用医薬品の方が充実しているな、高齢者がこのあたりのOTCを使っていたら注意が必要だななどの大まかな知識が身に付きます。

臨床検査値ハンドブック

検査値の本は色々持っていますが、これが一番バランスよく色々載っています。薬局にひとつあると患者さんの検査値でわからないことがあった時にすぐに調べる事が出来ます。

最後に

薬の本はかなり値が張るけれど、立ち読みが難しい本が多いので購入を躊躇する人が多いと思います。

実際私も何冊か買って無駄だったなと思ってすぐにBookOffに売ってしまった本もあります。

その中で自分の血肉になったなと思った本を紹介しました。誰かの勉強の役に立てば幸いです。

転職に関する記事はこちら↓

 

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