転職先に早く慣れる方法とは?薬剤師が転職してから新しい職場に慣れるまでに行っている工夫を紹介します!

私は調剤薬局から専門病院に転職してかれこれもうすぐ2ヶ月になります。

実は結婚、出産、転居などの理由で今回の転職は3回目になります。

いつも転職先になれるまでが大変なので、いままでの苦労から学び、今回早く慣れる為に行っている工夫を紹介したいと思います。

かばこ

どうしても夫の仕事の都合や子育てを優先すると、転職回数が増えてしまいがちです…

意外と転職でどんな工夫をしているのか聞いたことがありません。

しかし自分はす転職時にすごく気になったので、せめて自分の工夫を公開してみようかと思いました。

私の転職歴↓

  • 薬局(中規模チェーンで大学病院前の薬局)→薬局(大規模チェーンで総合病院前の薬局)
  • 専業主婦6年→薬局(中規模チェーンで総合病院前の薬局)
  • 薬局(中規模チェーンで総合病院前の薬局)→かなりユニークな専門病院(今ここ)

上記3回の転職経験のうち、どの転職が一番大変だったかも少し最後に記載したいと思います。

この記事がおすすめな人
  • 転職したばかりで不安な薬剤師
  • 転職を考えている薬剤師
  • 復職を考えている薬剤師
目次

薬剤師が転職先に慣れるまでどのくらいかかるか

個人的にはいつも大変なのは最初の大体3カ月だと思っています。

理由は最低限の業務になれるのにだいたい3カ月程度かかるからです。

最低限の業務ができるようになると、職場でも居場所ができはじめます。

薬局ではたらいてきたとき、私のあとに同じ薬局に転職してきた人たちを見ていても、薬剤師として基礎ができている経験者で覚えが早い人であっても1カ月程度はかかっていました。

遅い人であっても半年あればある程度の業務は行えるようになっている印象です。

慣れるまでに個人差が出る原因は?

本人が積極的に勉強し、周りの人をよく見て吸収するタイプや、わからないところを積極的に質問するタイプ、メモをしっかり取るタイプの人は慣れるのが早かったように思います。

逆に受け身であったり、教えてくれるのを待っているタイプ、プライドが高くいままでの自分のやり方を変えようとしないタイプ、メモを取ろうとしないタイプの人は遅かったり、結果としてついていけずに辞めてしまった人もいました。

「この薬局を選んでやった」というような上から目線の態度の中途入社の薬剤師がいたのですが、プライドも高く、学ぶ意欲もなく、態度も悪かった為、ほかのスタッフともうまくいかずに1か月程度でやめていきました。

後日、ほかの薬局でもうまくいかずに短期で解雇されたという話を聞きました。

何が大変で転職後は疲弊するのか

さまざまな原因はあるとは思うのですが、おおまかに分けると以下の4つだと思います。

大変な理由
  1. 知識不足や経験不足
  2. その会社のルール、仕事のやり方がわからない
  3. どこに何があるのか、誰がどういった権限を持っているのかがわからない
  4. 知らない人ばかりで気疲れする

どうしたら転職先で慣れるまでの期間を短く出来るか

できれば短期間で新しい職場で居心地よく働けるようになりたいですよね?

先述した転職後に大変な理由を少しでも解消する方法を考えたいと思います。

知識不足は転職先が決まった後に、事前リサーチである程度補うことが出来ます。

経験不足はもう致し方ないので、時間をかけて埋めていくしかないです。

残りの人間関係に基づく部分も詳細は入社するまでわかりませんが、工夫で時間を短縮することが可能です。

今回その方法に関して紹介したいと思います。

知識不足を補うためには?

転職先が決まった科目を中心に扱う薬局であれば、その分野の薬に関する知識は事前に勉強し直しておいたほうがよいでしょう。

かばこ

事前に可能であれば、その薬局の在庫薬のリストなどを就職先からもらえるとイメージが付きやすいともいます。

仕事を早く覚えて欲しいのはどこの就職先も共通なので、そのようなリストを欲しいと言って嫌がられることはまずないと思います。

寧ろ好感を持たれる可能性が高いです。

私が総合病院門前薬局に復帰前に事前に読んでいた本のリストを以前記事にしたので良ければ参考にしてください↓

今回転職時に読んだ書籍

私の今回の転職先は糖尿病と腎臓病(CKD)、透析治療に力を入れている病院のため、主にそれらの分野の書籍をメインで目を通しました。

同じような科目を扱う薬局や病院に転職する人の参考になればと思い、以下に掲載しています。

おすすめ度は5段階評価で★~★★★★★までで表現しています。

糖尿病療養指導ガイドブック

おすすめ度 ★★★★★

糖尿病をメインで扱う病院に転職するのであれば、医事さんから医療従事者など(看護師、栄養士、薬剤師、検査技師等)全ての人が読んだ方が良い本だと思います。

CDEJやCDEL等のためのガイドブックです。

薬剤の知識のみならず、医療や栄養、看護、検査に関する知識が幅広く記載されています。

CDEJは糖尿病療養指導士といい、主に医療スタッフが一定の要件を満たし、試験に通過すると取得することができます。

CDELは地域糖尿病療養指導士といい、医療スタッフ以外も取得することが出来ます。

私の働いている病院では、患者さんに指導するためにはこの資格を取得することが必須となっています。

受験するためには3年程度は糖尿病専門医がいる施設で働き、症例をあげなくてはいけません。

そのため現時点で受験資格はありませんが、将来取得することが推奨されているため、必要とされている知識だと思い読んでみました。

糖尿病療養指導のための力試し300題

おすすめ度 ★★★★★

私はガイドブックの方から手を付けてしまいましたが、問題集からやって、よく解説を読んでからガイドブックの順の方が頭に残りやすい気がしました。

糖尿病薬物療法の管理

おすすめ度★★★★

出版年度は2010年で、その後は改訂版が出ていないため多少情報が古いのが難点ですがとてもよくまとまっています。

中古だとかなり安く手に入るので、糖尿病療養指導士等を目指しているわけではないけれども糖尿病に詳しくなりたい場合にもこちらの書籍がお勧めです。

糖尿病治療マスターのための注射療法マニュアル

おすすめ度 ★★★

薬局では針やインスリンの注射器の扱い方や、トラブル時の対応、インスリンカートリッジ、SMBG、CGM(持続グルコースモニタリング)やSAP(CGM機能付きインスリンポンプ)などの知識を付ける機会が全くないので、少しでも詳しくなっておきたくて読んでみました。

著者は先ほどの「糖尿病薬物療法の管理(薬剤師の強化書シリーズ)」と同じ朝倉先生です。

糖尿病治療ガイド

おすすめ度 ★★★★★

少しでも糖尿病を扱う医療従事者であれば通読お勧めです

ただ、ほかの書籍と内容が被る部分もあるので、可能であれば本屋さんで中身を確認して、自分の知らない知識がないかどうか確認してから購入することをお勧めします。

本の厚さはそれほどではないので、ある程度の基礎知識があれば、短時間で読むことが可能です。

糖尿病の薬学管理必須 糖尿病薬物療法認定薬剤師ガイドブック

おすすめ度 ★★

糖尿病薬物療法薬剤師のためのガイドブックです。

薬局で働いていたころに、少しでも糖尿病に詳しくなりたくて購入したのですが、ほかの本を持っている人であればこの本は不要かな…という印象です。

他の本と重複する部分も多いので、もし1冊薬局薬剤師が購入するとしたら上記の糖尿病ガイドラインで十分だと思います。

病院では認定薬剤師よりもまだまだ糖尿病療養指導士の方が必要とされており、認定薬剤師の方の認知度はかなり低い印象です。

メディカルサポート・コーチング入門

おすすめ度★★

医療従事者のコミュニュケーションスキルを向上させ、コーチングスキルによって患者さんから必要な情報や意欲を引き出し、治療効果向上に導くための方法が載っています。

たまたま著者が糖尿病専門医で、糖尿病の治療でのコミュニュケーション例が多く、勉強になりました。

内容は良いものですし、そこまで重たくもないので簡単に読むことが出来ます。

もし転職まで時間があるようであれば読んでみても良いかもしれません。

腎不全と薬の使い方Q&A

おすすめ度 ★★★★

腎臓病の専門薬剤師の方がネットで絶賛されていたので、迷いに迷った挙句購入しました。(高いので…)働いている病院の薬剤部長もおすすめしていました。

情報量が多く、全てを完全に理解するのはかなり時間がかかり難しいかと思いますが、Q&A方式になっているのでQのタイトルを見て興味のある所だけを見るような読み方でも勉強になると思います。

私自身もあまり時間的余裕がなく、けれども病院に透析の施設があって腎性貧血の薬やリン低下薬など、今までの仕事ではあまりなじみのなかった薬が頻繁に出ます。

わからない事に遭遇するたびに、開いて参考にしています。

家に1冊あると腎臓病の専門家が家にいるようで、安心感があります。

透析の事や腎臓病の病態に関してもかなり詳しく載っており、薬だけでないところが心強いです。

腎機能別薬剤投与量POCKET BOOK

おすすめ度 ★★★★★

もし働く予定の薬局や病院で置いていないようであれば、1冊は持っておいて損はないと思います。

毎回添付文書を調べなくても、腎機能に応じてどのくらい薬の用量を減らさないといけないのか、透析の場合はどうなのかなどとても分かりやすくまとめられており、必要時に調べやすい為、薬局でも病院でも重宝しています。

腎排泄率が高く、リスクが高い薬は◎がついているなど、注意すべき薬かどうかも一目でわかる仕様になっています。

医師も持っている人が多いようで、診察室に開いて置いてあるのを何回か見たことがあります。

かばこ

自分の病院でよく処方される薬の腎機能に対する用量に関しては、この本を参考にExcelでまとめて見やすくして監査台に置いています。

会社のルール、仕事のやり方を早く覚える為には?

仕事は知識だけでできるものではありません。

会社のやり方などもはやく覚えなければならず、これが大変です。

私がおこなった工夫を紹介していきます。

  • 教えられたことは必ずメモする
  • マニュアルがあれば見せてもらう
  • わからないことは自分なりにまとめて積極的に質問する
  • はたらき方を観察する。
  • 今までやってきたことと似ている事、似ていないことを自分なりに分析して頭の中で整理する
  • 積極的に雑用を引き受ける

1.メモをとる

そんなのやってます、当然ですと思っている方は恐らく問題ないと思うため、読み飛ばしてください。

いままで薬局で新しく入職してくる方をみていると、意外とメモを取らない人が多いです。

そして大体メモを取らない人は何度も同じことを聞いてきたり、仕事の習得が遅い傾向があります。

かばこ

メモを取らないで仕事ができる人をひとりだけ見たことがあります。

ハム吉

その人は4の「はたらき方を観察する」がずば抜けて出来る人でした。

2.マニュアルがあれば見せてもらう

前の職場がそうだったのですが、何年も同じ職場に勤めていると改めて皆さんマニュアルを読まないようです。

あることを忘れているケースがあります。

マニュアルがあれば、それをある程度読んでおけばその会社の大きな流れは掴めるので大分楽になります。

因みに今の病院ではマニュアルがないわりに謎ルールが沢山あって非常に苦労しました。

OJT(On the Job Training)と最初言われましたが、要は見て覚えろという事です。

マニュアルがあった方が絶対に便利です。

因みに私自身は、マニュアルがなければ作ればよいと考え、メモをまとめてオリジナルマニュアル(カンペ)をこっそり作ってしまいました。

次に新人が入ったら、こっそり見せてあげようかと思ってます。

かばこ

見学に来ていた人がたまたまそのマニュアル(カンペ)を見て、「素晴らしい」とほめてくださってちょっと嬉しかったです。

3.わからないことは自分なりにまとめて積極的に質問する

職場で忙しそうにしている上司に色々質問しにくいと思いますが、あちらもこちらが何をわかっていないのかがわからなくて困っているので、まとめて積極的に質問したほうが助かるようです。

この「まとめて質問する」だけでなく、「自分で事前に調べる」という事がかなり重要で、バラバラに簡単で小さい質問を繰り返すと確実に鬱陶しがられるので注意が必要です。

かばこ

自己判断で勝手に仕事をすすめると、ミスをおこします

ハム吉

ミスをおこすと、ほかの人の仕事を増やすため、評価を落とします。

聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥ではないですが、多少ウザがられても、不安なことや不確かなことは必ず事前に質問して確認をとりましょう。

4.よく働き方を観察する

前の職場で一緒だった人が抜群にこの観察力が優れた方で、一緒に働いていて大変勉強になりました。

彼女はごみの捨て方や他のスタッフの動き方、話している事などもよく見て、聞いて、観察していて、なぜ他の人がそのような行動をとるのかをよく分析し、自分なりに理解してあっという間に仕事を習得してしまいました。

私はそこまでの観察力はないのですが、彼女を見習って、よく観察して、教えられたこと以上の仕事を吸収しようと努めています。

5.今までやってきたことと似ている事、似ていないことを自分なりに分析して頭の中で整理する

完全な薬剤師未経験の場合は難しいかと思いますが、そうでなければ、「今までやってきたことと類似した仕事」と「そうでない新しい仕事」に分けられることに気が付くと思います。

「そうでない新しい仕事」は忘れやすく、習得が遅いので、よりメモを詳細にとり、家でも見やすいようにまとめて仕事に持っていくと、わからなくなった時に振り返ることが出来ます。

6.積極的に雑用を引き受ける

新しい職場での仕事が十分にこなせないうちは、どんなに前職で活躍していても新人扱いです。

職場の人にとってはお荷物でしかないことを忘れない方がいいと思います。

教える人たちの手間分を引き受けるつもりで、積極的に雑用を引き受けていると、周りの人も自然に新しいことをどんどん教えてくれるので、仕事の習得が早くなります。

かばこ

仕事を早く覚えてある程度ルーチン化すれば、仕事での疲労度も減っていきます。

どこに何があるのか、誰がどういった権限をもっているのかを知る為には?

薬局であれば、だれが薬局長か、どこに備品があるかなどはそんなに人数もいないですし、そんなに悩むこともありません。

しかし病院は人数が多くて非常に悩みます。

まずは薬剤部と、特に関りのある特定の数人は必ず押さえます。

それ以外の人は組織図などをチェックしておくとスムーズに頭に入ってきやすいです。

薬剤部の人の名前と、だれが薬剤部長か、薬剤部を手伝ってくれる医事科スタッフの名前、事務長の名前は初日にメモ帳にこそっと赤字でメモしました。

他のスタッフもできれば早い時期に名前を憶えたかったので、こそっと名前リストと組織図をチェックして写メをとりました。

知らない人達の輪に早くなじんで、気疲れを減らすためには?

意外かもしれませんが、まずは知らない人の輪に無理に混じろうとしないこと。

そして一日もはやく仕事を覚える事だと思います。

忘れてはならないのが、最初の数カ月は試用期間中という事です。

ほかのスタッフ

どんな人かしら?仕事は出来るのかしら?すぐにやめてしまうかもしれない。

だいたいの人はこんな風に思っています。

そして新しく来た人に対しては、歓迎モードというよりは警戒モードです。

かばこ

色々仲良くなろうと画策すると余計に警戒されます。

ハム吉

経験年数に関わらず、以前からその職場にいる人の立場が強く、輪ができています。
プライドや寂しい気持ちは置いておいて静かに粛々と仕事をしましょう。

不思議と時間が経つと、その人が変な行動を起こさなければ、人は警戒心が薄れるものらしく、だんだんと距離が縮まっていきます。

ちょっとした差し入れは潤滑剤になるのでお勧め

私は入職時ちょっとしたお菓子を持参し、1か月たった時も、実家から送られてきた果物を皆さんに配りました。

頂き物の果物のおすそ分けだったので、相手にも負担にならず、喜ばれ、話が膨らむきっかけにもなったので、たまたまそういったものが手に入った場合は持参してみてもいいかもしれません。

かばこ

入職時のお菓子は不要というところも多いようですが、嫌がられることはないので、持って行った方が印象がよく、親切に教えてもらえる気がします。

結論)調剤・投薬・監査まで出来るようになれば、どの職場でもある程度なじめる

結局のところ、薬剤師のメインの仕事は「調剤」「監査」「投薬」なので、この3つがスムーズに出来るようになると、自分自身も気持ちと体が楽になります。

ほかのスタッフの仕事が楽になるので、自然と態度も柔らかくなり、仲間として認識してくれるようになります

おまけ)どのタイプの転職が薬剤師にとって楽だった?逆に大変なのは?

完全な個人の感想ですが、大変だった順は、

新卒で薬局に入った時>ブランク後薬局に復帰>薬局から病院に転職>薬局から薬局に転職

やはり知識量に薬剤師の仕事の大変さは比例するようで、0から積み上げた新卒時代、ほぼ0に戻った専業主婦からの仕事復帰が一番つらかったです。

薬局から薬局は、派遣薬剤師が成り立つくらいなので、パソコンが最低限使用でき、投薬ができ、SOAPがかければ何とかなってしまうのでそんなに大変ではないです。

薬局から病院は始まったばかりなので偉そうには語れませんが、電子薬歴→電子カルテに変わったことでやる仕事が変わったことは大きな変化で大変でしたが、2カ月経過現在は監査・投薬もこなしているので、毎日仕事はそこそここなせている状況です。

あとはいずれにしても数年経験しないと、病棟業務など次のステップに進めないので、淡々と仕事をこなしていくしかないですね。

転職活動に関する記事はこちら↓

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

目次