即効型インスリン分泌促進薬レパグリニド、ミチグリニド、ナテグリニドの特徴と違いとは?

即効型インスリン分泌促進薬にはナテグリニド(先発品:ファスティック、スターシス)、ミチグリニド(先発品:グルファスト)、レパグリニド(先発品:シュアポスト)などがあります。

即効型インスリン分泌促進薬は速やかに吸収され、インスリン分泌を刺激しますが、効果の持続時間が短いのが特徴です。これにより、食後のピーク時の血糖値を効率的に下げることができます。

この記事では、SU剤(スルホニル尿素薬)即効型インスリン分泌促進薬の違いからレパグリニド、ミチグリニド、ナテグリニドの各々の特徴までをまとめました。

かばこ

参考になれば幸いです!

この記事でわかること
  • 即効型インスリン分泌促進薬とは?
  • SU剤即効型インスリン分泌促進薬の違い
  • SU剤即効型インスリン分泌促進薬は一緒に処方できないのはなぜ?
  • 即効型インスリン分泌促進薬のそれぞれの特徴
目次

即効型インスリン分泌促進薬の特徴とは?

速効型インスリン分泌促進薬は、主に2型糖尿病治療に用いられる飲み薬の一種です。

この薬は食事によって急上昇する血糖値を抑えるため、膵臓のβ細胞に働きかけてインスリンの分泌を促進します。

その効果は素早く発現し、食後高血糖を効果的に抑制します。

速効型インスリン分泌促進剤は、食前直前に服用し、血糖コントロールを行います。

かばこ

食直前でないと低血糖がおきる恐れがあるので、必ず守ってください!

ハム吉

食直前は、「いただきます」のお箸をあげる直前がベストだよ!

膵β細胞に働きかける仕組み

速効型インスリン分泌促進薬は、膵臓内のβ細胞に直接働きかけることで、インスリン分泌を促進します。

膵β細胞表面に存在するATP依存性カリウムチャネルを抑制し、細胞内のカルシウム濃度を上昇させ、インスリンが分泌を促します。

この作用は短期間で発現するため、速効型という特徴を持っています。

SU薬と共通する部分もありますが、効果が現れる速さと持続時間に違いがあります。

なぜ即効性なの?吸収と分解が速い

速効型インスリン分泌促進薬は、服用後約30分以内に血中濃度が最高値に達し、薬効が発揮されます。そして約3〜4時間で作用が消退するため、食後高血糖を効果的に抑えながら、低血糖のリスクを最小限に抑えることが可能です。

インスリン分泌のタイミングへの影響?血糖値スパイクを改善する!

速効型インスリン分泌促進薬は、特に食後のインスリン分泌をスムーズにする役割を果たします。

通常、食事を摂取すると血糖値が急上昇しますが、この一時的な血糖スパイクを即効型インスリン分泌促進薬で制御することで、食後高血糖を予防します。これにより、HbA1cの改善に繋がり、血管合併症のリスクも軽減されます。

「血糖値スパイクとは?」

食前・食後など生活を通して変動する血糖値。通常はこの変動の波がゆるやかですが、食後の血糖値が急上昇と急降下を起こす状態を「血糖値スパイク」といいます。

こうした血糖値の乱高下が血管にダメージを与えてしまいます。そうなると動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中による突然死のリスクが高くなると考えられています。

血糖値スパイクを予防しよう ──糖尿病になる前に対策を!|済生会より抜粋

血糖値スパイクに関してもっと知りたい人、血糖値が測れるリブレに関して知りたい人はこちら

食後に飲んだら効果がないの?

レパグリニド(シュアポスト)を例にとると、食後服用では最大血中濃度Cmaxの著しい低下(半分程度)、最高血中濃度到達時間(Tmax)の著しい延長(4倍程度)が見られています。

簡単にいうと、薬剤の吸収が遅れ、タイミングが合わず、肝心の血糖値スパイクは抑えることができなくなってしまいます。

SU剤と即効型インスリン分泌促進薬は何が違う?

即効型インスリン分泌促進薬SU剤(スルホニル尿素薬)は類似の作用をもつ薬です。

しかしそれぞれ特徴があり、似て非なる薬でもあります。注意点も併せて詳しく見ていきましょう!

スルホニルウレア薬(SU薬)との違い

速効型インスリン分泌促進薬とSU薬(スルホニルウレア薬)は、どちらも膵臓のβ細胞に働きかけてインスリン分泌を促しますが、その作用特性には違いがあります。

SU薬は長時間にわたってインスリン分泌を継続するため、1日1〜2回の服用で済む利便性がある一方で、低血糖のリスクもいい傾向があります。

一方、速効型インスリン分泌促進薬は吸収が早く、作用時間が短いことを特徴とします。これにより、血糖値の変動に効率的に対応できる上、低血糖のリスクをある程度抑えることができます。

このように、速効型インスリン分泌促進剤SU薬は特性が異なるため、患者に応じて適切に使い分けられるのが一般的です。

トクシマシティ 糖尿病ネットワークより抜粋

SU剤と即効型インスリン分泌促進薬は併用できない

前述したように、SU剤即効型インスリン分泌促進薬は薬の作用点が同じです。

そのため、重複して使用するとどちらの良さも消えてしまうだけでなく、副作用のリスクもあがります。

各添付文書でも以下のような文言が記載されています。

本剤は、速やかなインスリン分泌促進作用を有する。その作用点はスルホニルウレア系薬剤と同じであり、スルホニルウレア系薬剤との相加・相乗の臨床効果及び安全性が確認されていないので、スルホニルウレア系薬剤とは併用しないこと。

ファステック添付文書より抜粋

医療保険でも、重複して投与された場合は保険を切られてしまう可能性が高いです。

即効型インスリン分泌促進薬(レパグリニド、ミチグリニド、ナテグリニド)のそれぞれの特徴と違い

即効型インスリン分泌促進薬として発売されているものは、ナテグリニド(先発品:ファスティック、スターシス)、ミチグリニド(先発品:グルファスト)、レパグリニド(先発品:シュアポスト)があります。

これらの商品の特徴をまとめたので、見ていきましょう!

レパグリニド、ミチグリニド、ナテグリニドの作用時間や副作用の頻度の違い

今回は以下の用量の単回投与でデータを比較してみました。

かばこ

添付文書に掲載されていた用量で、一番高用量を記載しました。

レパグリニド1mgミチグリニド20mgナテグリニド60mg
服用タイミング毎食直前(10分以内)毎食直前5分以内毎食前10分以内
Tmax25.0±7.7(30)min0.25(hr)※15min0.92(hr)
t1/266.5±17.4min1.22(hr)1.27(hr)
低血糖頻度15.1%6.6%0.1〜5%未満
主な代謝CYP2C81,一部CYP3A4グルクロン酸抱合CYP2C9
HbA1c低下率(第Ⅲ層臨床試験)−1.17±0.62(0.5mg投与時)−0.44±0.75%(10mg投与時)低下量平均:0.69%(90mg投与時)
他規格の有無0.25mg、0.5mg5㎎、10mg90mg
最大用量1mg10mg120mg

全体的な印象としては、レパグリニドが効果とともに副作用が強めで、ミチグリニドナテグリニドは同程度であると感じました。

ミチグリニドの効果発現時間は他剤に比べて非常に早いと思いました。

微調整のしやすさという点では、レパグリニド、ミチグリニドが優れていると感じました。

相互作用はどの薬剤もそれほど差はないように感じました。

かばこ

シュアポスト(成分名レパグリニド)は2024年5月1日に製造販売を中止しています。

参考資料

まとめ

この記事では、即効型インスリン分泌促進薬の特徴からSU剤との違いと注意点、即効型インスリン分泌促進薬のそれぞれの薬剤の特徴に関してまとめました。

  • 即効型インスリン分泌促進薬は食直前服用であり、血糖値スパイクを防ぐためにも、服用方法の徹底が重要です。
  • 即効型インスリン分泌促進薬SU剤と作用点が同じため、併用ができません。
  • レパグリニド、ミチグリニド、ナテグリニドはHbA1cの低下率、作用発現時間、微調整のしやすさに差があります。

参考になれば幸いです。

この記事は私の主観も含まれています。最終的には医師・薬剤師に相談を

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