薬局から糖尿病専門病院に転職して5カ月が経ちました。
転職後3週間たったころの記事はこちら↓
転職に関する記事はこちら↓
調剤薬局の時とは違い、薬剤師が関わっている業務のまだまだ一部しか携われていないのですが、少し自分自身の成長を振り返ってみたいと思います。
病院に転職を考えている薬剤師の方などに参考になればよいなと思っています。
わたしの所属している病院はわりと個性的な病院です。
- 転職を考えている薬剤師
- 糖尿病専門病院での薬剤師の仕事が気になる人
- 転職後、半年程度でどのくらい仕事ができるようになるのか気になる人
私のいる病院の特徴
糖尿病の専門病院です。
教育入院目的の病棟があり、治験や臨床研究も行っています。
仕事の仕方で特徴的なのが、基本的に専門知識のある人はその専門の仕事を最優先に行うべきという院長の合理的な考えにより、医師はカルテ入力と診断のみをおこない、問診や処方入力は他の医療スタッフが行い、薬剤師も調剤は他の医療スタッフが行っています。
また、誰がやってもよい仕事はどのスタッフもできるように教育を受けます。
そのため、手が空いているときはほかの仕事を手伝うため、暇を持て余すことがないようなシステムになっています。
薬剤師も手が空いているときは問診や指導、処方入力をおこないます。
薬局に比べて今の病院の良いと思うところ
- 患者の数の予測でき、余製を作ることができるため、お昼休憩がしっかりとれます
- 処方内容もおおよそ決まっているため、薬がその日に足りなくなること、焦ることはほとんどありません
- 病院の方針で調剤は他の医事科のスタッフ、手の空いた他の医療従事者が行うことになっているので、薬剤師が調剤をおこなう頻度が低めです
- 一包化や散剤の調剤がありません
- 薬歴がないため薬歴を書く必要がありません
- 医師の診察、それに伴う薬剤費などは福利厚生で無料
- 健康診断は年に1回院内で無料で受けられます
- 医師が近くにいるので、疑義照会がしやすく、患者さんを待てせてクレームになる事が少なめです
あまりご存じない方も多いかと思いますが、院内の調剤は医師の調剤権のもとでおこなっています。
当院では加算の対象にならない業務を極力減らし、薬剤師には監査業務、薬局からの疑義紹介対応など医師の負担を減らす業務をメインでおこなってほしいようです。
医師の調剤権に関する歴史はこちらの記事をどうぞ↓
薬局に比べて今の病院の方が大変さを感じる事
- 薬剤の在庫管理コンピュータ管理ではないため曖昧で、在庫が余った場合に店舗間融通が出来ないので廃棄になる。
- ヘルプのスタッフなどはいないので、休むとダイレクトに他のスタッフに迷惑がかかるので休みにくい
- 土曜日が出勤日になっている。
- スタッフの数が多く、色々な部署に分かれているので、人の名前を覚えたり、院内の仕組みやルールを覚えるのが大変
- 電子カルテは色々な医療スタッフが書き込んでいるので情報量が多く、確認することが沢山あるので大変
- 調剤しなくなったのは良いが、その代わり投薬、監査の量が多い
- 病歴、検査値、検査内容が見れてしまうので、それも合わせた薬剤の監査が求められる。
- 薬に関することはどんな質問でも答えられなければならず、また責任を持たなくてはならないので、様々なスタッフから質問される
- 専門病院なので、薬の種類が多少偏っている
- 輸液もある程度勉強が必要になった
- 処方入力、訂正は薬剤師でも出来ないといけない
- 医療保険の加算に関して勉強が必要になった
前述したように、院内調剤では加算がとれません。
また、病名、検査値などのデータが見れてしまうため、当然それらの情報を併せた監査が求められます。
ほかの医療スタッフはジェネリックの名前と先発品の名前がわからずに聞いてきたり、本当にさまざまな質問をされます。
輸液、注射薬、ワクチンの管理や監査も病院薬剤師の仕事です。
監査時に気が付いた処方ミスを訂正することも求められます。
監査業務はすべての最後におこなう業務のため、医療加算が正しくとれているかどうかの確認も求められています。
主な日常業務(投薬、監査)
院内調剤の投薬、監査業務を午前と午後にわけて行っています。
投薬のシフトの場合はひたすら外来に座って投薬します。途中で調剤とかで席を離れたりはしません。
投薬業務
前職の薬局では長いと30分くらい話し込むこともあったのですが、ここではそれは出来ないため、最低限の注意事項と最低限の薬の確認を行って、次々に患者さんに投薬していきます。
患者さんと話すのも楽しかったので、少し事務的で寂しさはありますね
薬局では患者さんから聞かれることもよくあったので、パンフレットなどを渡したり栄養指導の一部のようなことをしていました。
しかし今の病院では栄養士さんがしっかりと保険点数をとって指導を行っているので、軽い栄養指導もしてはいけなくなりました。
余計なこと言うと投薬が長くなるから、いずれにしても話す時間はないんですが…。
監査、投薬、薬局からの疑義紹介対応、疑義紹介、ほかの医療スタッフからの質問が入るとカオスです。
監査業務
院外処方の監査もまわってくるし、院内の注射薬、輸液、ワクチンの監査もまわってきます。
院外処方は院外薬局に投げてもいいんではないかと思うのですが、疑義照会が増えるとかえって大変とのことで可能な限りチェックしてます。
ジェネリック変更だけとか正直どうでもいいような監査もしています。
- 薬の相互作用、重複、病歴に対して薬が問題ないかどうか
- 医師の指示通りの薬が処方されているか。変更点は反映されているか。
- 薬に関する保険の加算が正しくとれているか
- 日数は次回まで足りるか。必要以上に処方されていないか
- 規定の薬剤の種類数を超えていないか(院内では6剤まで等)
- 検査値を確認して、副作用が出ていないか、腎機能に対しての用量が適正か
- ジェネリック可の☑の確認、一包化の記載の確認
- コメントの確認、訂正
上記に誤りがあった場合は自分で処方修正をかけないといけません。
時間が足りないわりに確認しないといけないことが多すぎるのでカンペファイルを作ってます↓
そのほかの業務(予製作り、発熱外来、病棟薬の準備)
午後の外来までの時間は予製を作ったり、監査したり、病棟薬の準備を行っています。
発熱外来も行っているので、その薬の監査、他の薬局への連絡を行います。
薬剤師が行っているそのほかの業務
ベテラン薬剤師のみが行っている業務もありますが、紹介します。
- 治験薬の監査
- 疑義照会に対する対応
- 病棟指導
- ワクチンの管理
- DI業務
- 当院が行っている指導カリキュラムを全国出張して指導
- 論文作成
- 院内勉強会の開催
今後の予定
中途半端な時期に転職したため、実はまだ院内研修を受けていません。
春頃他のスタッフと一緒に行う予定なので、楽しみにしています。
人間関係
今は人間関係に関してはほとんどストレスはありません。
自分と合わない人が職場にいても、仕事をこなすうえで支障が出なければ問題ないので、最低限のコミュニュケーションを心掛けて、接触を減らしたことが良かったようです。
なじむためにジタバタ工夫したことの記事はこちら↓
薬局薬剤師の経験は役立っているか?
薬局薬剤師が病院に転職するときに強みになる程のものではないですが、薬局での勤務経験が役に立っているか、いないかで言えば確実に役に立っていると思います。
特に今の病院は薬に偏りがあるので、糖尿病の薬以外に関しては他のスタッフから聞かれることが結構あります。
おわりに
今のところ現状に不満はないので、頑張って続けていきたいと思います。
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