痩せたい!ダイエットしないと!
ダイエットしたい理由は、きれいになりたい、着たい服がある、糖尿病や脂質異常症になりたくない、病気を悪化させたくないなど、さまざまだと思います。
できれば病院や強い薬に頼らずに痩せられたら…。
運動や食事改善の効果をあげたいな…。
- 漢方とダイエットの関係
- 防風通聖散に含まれている生薬とその作用
- 防風通聖散のダイエット効果
- 防風通聖散の効果的な飲み方
- 防風通聖散の副作用
漢方とダイエットの関係
漢方は、植物や動物、鉱物を原料とした自然由来の成分で、東洋医学の理論に基づいて体内のバランスを整えることを目的としています。
漢方は、ダイエットそのものというより、「体質改善の一環」として使用されます。
肥満には、「がっちり型」で便秘傾向の固太りと、代謝が悪く脂肪が燃えにくいために太る「ぽっちゃり型」があります。
ダイエット作用のある代表的な漢方
ダイエットに用いられる漢方はさまざまなものがあります。
代表的な漢方として、以下のものもがあります。
- 防風通聖散(ボウフウツウショウサン)
- 防己黄耆湯(ボウイオウギトウ)
- 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
- 五苓散(ゴレイサン)
- 大柴胡湯(ダイサイコトウ)
この記事では、「防風通聖散(ボウフウツウショウサン)」に焦点をあてて、解説していきます。
防風通聖散はどんな生薬を含む漢方?
「防風通聖散」はどのような方におすすめの漢方なのでしょうか?
「防風通聖散」は万能ダイエット薬ではないことに注意が必要です。
生薬をグループ分けしながら、効果に関して説明していきます!
防風通聖散はこんな人におすすめ!
「防風通聖散」は口が渇いて食欲旺盛なのに便秘する、高血圧や動脈硬化症の人に効果が出やすい漢方です。
もっと詳しく述べると、以下の特徴が複数ある方におすすめの漢方です。
- 体力旺盛
- 食欲がある
- 便秘ぎみ
- 尿量が少ない
- 高血圧や肥満を指摘されている
防風通聖散はどんな症状に適応が通っているの?
適応が通っている症状としては、以下のものがあります。
- 高血圧や肥満に伴う動機
- 肩こり
- のぼせ
- 浮腫み
- 便秘
- 蓄膿症(副鼻腔炎)
- 湿疹・皮膚炎
- ふきでもの(にきび)
- 肥満症
生薬から見た、防風通聖散の効果とは?
簡単に「防風通聖散」の効能をまとめると、以下のようになっています。
- 浮腫をとりさる漢方で、水太りを解消する
- 下剤作用のある漢方で腹の中を外に出す
- 炎症を抑え、代謝活性を促す
具体的にどの生薬が、どの作用をもっているかを簡単に以下に記載しました。
防風(ボウフウ)・荊芥(ケイガイ)・麻黄(マオウ)・生姜(ショウキョウ)・薄荷(ハッカ)・連翹(レンギョウ)
発汗作用や体表面を冷やす解表作用がある漢方の組み合わせです。
山梔子(サンシシ)・黄芩(オウゴン)・石膏(セッコウ)・桔梗(キキョウ)
清熱解毒効果があるといわれています。
解熱作用、抗炎症作用、利尿作用、代謝活性化作用がある漢方の組み合わせです。
当帰(トウキ)・川芎(センキュウ)・芍薬(シャクヤク)
血の巡りを改善し、代謝活性を更に補強する漢方の組み合わせです。
白朮(ビャクジュツ)・滑石(カッセキ)
鎮静や抗ストレス作用のある漢方の組み合わせです。
大黄(ダイオウ)・芒硝(ボウショウ)・甘草(カンゾウ)
下剤として作用する組み合わせです。
【参考資料】
防風通聖散とダイエットの関係は?西洋医学的にも効果が認められている!?
「防風通聖散」には、メタボリックシンドロームに対する効果や、糖代謝改善作用があることが、西洋医学的にも発表されています。
2022年に富山大学で発表された論文では、内臓脂肪タイプに効果が高く、脂肪組織の慢性炎症や脂肪肝が軽減し、耐糖能が改善すると報告されています。
防風通聖散のダイエット効果の口コミ
「防風通聖散」を飲んでいる人の生の声を集めてみました。
よい口コミはこちら↓
悪い口コミはこちら↓
「防風通聖散」で便秘の改善、利尿作用、腹部膨満感改善、満腹感が得られたとのよい口コミがある一方で、下痢や膀胱炎になってしまった、効果がなかったとの口コミも見られました。
また、「防風通聖散」のみではなく、他の漢方との併用や運動や食事改善を頑張っている方も多い印象でした。
防風通聖散の飲むタイミングと効果的な飲み方
漢方は食後でも、食前でもいつ飲んでも問題ありません。
漢方は胃の中が空になっているほうが薬効成分をよく吸収すると考えられているため、食間、食前の服用指示になっていることが一般的です。
しかしながら、漢方を食後に服用すると少し吸収が遅くなる可能性はありますが、効果不十分という根拠は確認されていません。
漢方は体質改善を行うため、一般的に効果がでるのに2週間から1カ月程度かかる薬です。
投与開始から2~4週間で効果を感じなければ、一度専門家に相談しましょう。
防風通聖散を飲み続けるとどうなる?副作用は?腸が黒くなる!?
「防風通聖散」を短期間や頓服で服用する場合には、副作用はほとんど問題になりません。
また、数年にわたる長期服用を続けると、大腸メラノーシス(色素沈着で大腸が黒くなってしまう状態)になり、神経細胞が減少して腸の動きが鈍くなることが指摘されています。
原因となる下剤を中止して1年ほどたてば改善すると言われていますが、数年にわたる長期服用は避けた方が無難でしょう。
「防風通聖散」に含まれる「黄芩(オウゴン)」が原因であると考えられています。
「防風通聖散」を飲み始めて、倦怠感や咳などの違和感を感じた場合は、服用を継続せずに医師に相談したほうがよいでしょう。
こんな人は防風通聖散は飲まない方がよい!
「防風通聖散」は瀉下作用(下剤)と利尿作用が強めの漢方です。
実は防風通聖散は多くの一般用医薬品に含まれている!?
調べた範囲では、「ナイシトール」「コッコアポプラスA」「アポスリム」「アンラビリSS」など多数含まれていました。
不安な場合は、念のため薬剤師に相談しましょう!
防風通聖散(ボウフウツウショウサン)と防己黄耆湯(ボウイオウギトウ)は併用しても問題ない?
ダイエットに使用される漢方として有名で、よく併用される「防己黄耆湯」との併用は問題ないのでしょうか?
「防風通聖散」と「防己黄耆湯」は甘草以外の生薬が重複していません。
しかし3g以上から、「偽性アルドステロン症」という副作用が起きる可能性が指摘されており、6gを超えると11%もの副作用の発現があったことが報告されています。
医療用のツムラ「防己黄耆湯」には甘草が1.5g(1日量 3包7.5g中)、「防風通聖散」には甘草2.0g(1日量 3包7.5g中)含まれているため、併用して服用する場合は、どちらかの用量を減らして服用した方がよいでしょう。
偽性アルドステロン症:甘草の主成分にグリチルリチン(2~6%)があり,これが腸内細菌で代謝されてグリチルレチン酸に変わる。このグリチルレチン酸がコルチゾールをコルチゾンに変換する11β-hydroxysteroid dehydrogenase type 2という酵素を抑制する。すると鉱質コルチコイド作用のあるコルチゾールが増加するため,浮腫,高血圧,低K血症が発症し,低K性ミオパチーと思われる四肢の脱力などを発症すると考えられている。一般に,患者の40%は投与後3カ月以内に発症すると言われており,中止した2日後には改善すると考えられている。男女比は1:2で女性に多い。また,利尿薬などを併用していると発症しやすい。
出典:甘草を含有する漢方薬の副作用の頻度 【偽性アルドステロン症の発生頻度は用量に依存して急激に増加】
防風通聖散が購入できる場所とは?
「防風通聖散」を購入する方法はいくつかあります。
- 病院で医師に処方してもらう方法
- ドラッグストアで購入する方法
- 通販で購入する方法
漢方は健康保険が適応になるため、医療機関で処方してもらうのが一番安く手に入る方法です。
医療機関にいくのが面倒な場合は、ドラッグストアや以下のような通販でも購入が可能です。
約23日分で1728円(税込み)です。
参考書籍
この記事を書くために参考にした書籍を紹介します。
Dr・浅岡の本当にわかる漢方薬
おすすめ度 ★★★★★
いろいろな漢方の本を読みましたが、これが一番わかりやすく書いてありました。
生薬の効果・効能まで分解して漢方の作用をわかりやすく説明しています。
まとめ
この記事では、「防風通聖散」のダイエットに対する効果に関してご紹介しました。
「防風通聖散」は、浮腫み改善、便秘改善作用がある漢方で、ダイエット効果に関してたくさんの報告例があがっています。
「防風通聖散」の特徴を理解し、体質に合っていそうだなと感じる方はぜひ試してみてはいかがでしょうか?
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