男女平等、男性が育児休業を取得するケースも増えつつあると聞きます。
しかし現実的には母親が仕事をセーブせざる得ないケースは数多くあります。
子供を出産して、仕事をセーブせざる得ない状況になったママ薬剤師も多いのではないでしょうか?
子供が小さいときは育児で手いっぱいでキャリアのことなんて考える暇もなかったはずが、徐々に手が離れてくると、仕事をどうするか、自分はどうしたいのか迷い始めます。
かばこ私の主観ですが、ほかの悩んでいる方の参考になれば幸いです。



いつも悩んで立ち止まるたびに、自分に問いかけていることを記事にしました。
- キャリアとは?薬剤師のキャリアとは?
- やりがいとは?薬剤師のやりがいとは?
- ママ薬剤師のキャリアはどのような築き方があるか?
キャリアとは?薬剤師のキャリアって?


キャリアってそもそも何なのでしょうか?
仕事をする上でキャリアが大切、子どもを産むとキャリアが積めない…、キャリアアップするには転職や資格が必要…などといわれていますが、具体的にどのようなものをキャリアといい、何のためにキャリアが必要なのか考えたことがあるでしょうか?
漠然としたままでは、自分がどうしたいのかわからないままなので、具体的にキャリアとは何か、キャリアとはなぜ必要なのかを調べてみました。
キャリアとは?
キャリアとは人の生き方そのものを指しています。
厚生労働省が定めるキャリアの定義は、以下の通りです。
キャリアとは、一般に「経歴」「経験」「発展」さらには「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる。
文部科学省は、キャリアを以下のように定義しています。
人が、生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ねが、「キャリア」の意味するところである。
キャリアの定義はそれぞれ異なりますが、どちらも仕事の継続や過程などの意味が含まれています。



キャリアというと、出世しなければいけない印象でしたが、広い視点でみると、職業人生や生き方など人生そのものと考えてよさそうですね。



管理職になることばかりが社会貢献ではないですから!
キャリアに重要なのはどの要素か?
30代以上に求められるスキルとして一般的に言われているのは、以下の通りです。
- 「即戦力になる経験・知識」
- 「課題解決能力」
- 「新しい環境に順応できる柔軟性」
- ポジションによっては「マネジメントスキル」
さらに40代以上ともなると、「人を束ねるリーダーシップ」「課題の発見から解決までできる力」、そして「経営に関する知見」まで一般的には求められると言われています。
学歴ではなく、その業界での知識や経験、具体的にはどこの企業でどの程度どのような内容の仕事をしてきたか、管理職としての経験はあるのか、年齢相応の社会人としての常識があるのかが問われているといえると思います。
キャリアは何のために必要?
キャリア形成とは、仕事を通じて経験やスキルなどを蓄積して自己実現を図っていくプロセスのことです。
キャリア形成ができていると、「将来なりたい姿」に向けて、今やるべきことが見えてきます。
自分自身を高めることにもつながるため、希望通りの職種に就くことができたり、ステップアップやキャリアアップを通じて自分の可能性を広げていくことにもつながります。
将来なりたい姿って、今更いい歳した大人が夢みたいなことを…なんて思ってはいませんか?
ママ薬剤師になったばかりの30代であれば、30年、40年近く働く可能性があるのですから、「将来なりたい姿」「将来の夢」を思い描いてもよいのではないでしょうか。



もちろん大手製薬企業に入社したい!とか、研究職に転職したい!とか叶えるのが難しい夢もありますが…。
薬剤師のキャリアって?
薬剤師にも色々な仕事があると思いますが、大まかなキャリアとしては以下のものが一般的です。
- 病院、薬局、ドラッグストアで管理職を目指す。
- 専門性を高めて認定薬剤師になる。
- 薬局を開業する。
- 治験関係(CRC等)など、少し薬の知識を活かした別の分野で働く。
- 医療ライター、塾講師などの副業で薬剤師の知識を活かす。
医療の現場に近いところで働きたいのか、販売に近いところで働きたいのか、どのような専門性を深めていきたいのかなど、更に細かく目指す方向性は分かれてくると思います。
余暇や収入のバランス、福利厚生、職場の人間関係なども重要な要素です。
副業などと組み合わせてのびのびと色々なことにチャレンジするのも働き方の1つだと思います。
医療ライター体験談はこちら


薬剤師のやりがいとは?


キャリアを考えるうえで重要なのは、自分自身が何に喜びややりがいを感じるかということだと思います。
これを考えずして職場や仕事内容を選んでしまうと、「こんなはずじゃなかった…!転職したい!」となってしまい、遠回りになってしまう可能性があります。
さまざまな職場のやりがいを集めてみました。



私自身が若いころに何も考えてなくて、いまさら後悔しているので、若い人には同じ失敗をしてほしくありません!
そもそも人はどんな時にやりがいを感じる?
薬剤師だから…だけでなく、まずは人間はどんな時に仕事を通じてやりがいを感じたり、幸せを感じたりするのでしょうか?
しっくりくる答えを探し続け、色々な書籍を読んだ結果、なるほどと感じたリストと書籍を紹介します。
これらのリストは、ロチェスター大学心理学教授であるエドワード・L・デシの著書である「人を伸ばす力」という書籍の中で示されていたものです。
著書の中で、生きる意欲(目標)は6つあると書かれています。
外発的な意欲
- 裕福になること
- 有名になること
- 肉体的魅力があること
内発的な意欲
- 満足のいく個人的な関係をもつこと
- 社会に貢献すること
- 個人として成長すること
外発的意欲は達成しようとしている結果が、さらに目的のための手段となっていることが特徴であると書かれています。
財産は権力をもたらし、物質的所有欲を満足させる。名声は出世への扉を開き、贈り物の山を築かせることになる。美貌は、エスコートしてくれる魅力的な男性を選ぶ権利や、商売のチャンスや、絶えず注目を浴び続けるという栄光をもたらす。
それに対して内発的意欲はそれ自体が報酬となり、自分はできるという有能さや自信、自律、関係性に対する人々の生得的欲求を満足させると書かれています。



自分自身の人生を振り返ってみても、やりがいや幸せを感じたのは、上記のような欲求が満たされた時でした。
ただし、注意が必要なのが、3つの内発的意欲と比較して、3つの外発的意欲(金、名声、美貌)のいずれかが突出して高いとき、精神的健康も低い傾向があると述べられています。



仕事においてお金や名声、出世は大事!だけどそれ以外を軽視し過ぎると後悔したり、体調を崩す原因になってしまうかもしれません。



薬剤師は内発的意欲を比較的満たしやすい仕事なのは有難いことだと思いました。
薬剤師のやりがいとは?どんなときに幸せを感じる?
一般的に言われている薬剤師の大きなやりがいは以下の二つです。
- 患者さまのお役に立てる・感謝される。
- 薬の専門家として幅広く医療貢献ができる。
実際に就職して現場で働いていると、具体的に以下のようなことにやりがいを感じる場合もあるでしょう。
- 管理職として現場をマネージメントし、企業の利益、患者さまへのサービス向上を追求する。
- 疑義照会を行うことで、正しい医療を提供することができる(調剤薬局)。
- 患者様に信頼され、処方薬がないときでも相談されるようになる(調剤薬局)
- ほかの医療スタッフに情報提供し、感謝される(病院)。
- 医療現場で薬の知識を活用してチームの一員として貢献する。(病院)。
- OTC医薬品の販売やアドバイス、サプリメントや健康食品などの健康関連商品の販売にも、幅広く携わり、薬剤師の独自判断でお客様の症状にあったお薬を選んであげられる(ドラッグストア)。
- 街の健康ステーションの顔として、セルフメディケーションの推進を支える重要な役目を担う(ドラッグストア)。
- 販売方法を工夫し、売り上げをあげて表彰される(ドラッグストア)。
それでは、どんな時に幸せを感じますか?
やりがいを感じるときも幸せを感じますが、それ以外ではどんなことがあるのでしょうか?
自分自身が感じたことや、ネット上であった意見をまとめてみました。
- 患者さんが自分を覚えていてくれた。
- 患者さんから「知らなかった!教えてくれてありがとう」と言われた。
- ほかの医療スタッフから「薬剤師さんがいてくれると助かる」と言われた。
- 自分の服薬指導のおかげで患者さんの服薬コンプライアンスが向上した。
- 医師に情報提供をして感謝された。
- 新しい薬の作用機序が面白くてワクワクした。
- 薬のマメ知識を知って知的好奇心が満たされた。



純粋な幸せとは少しずれてしまうかもしれませんが、薬剤師でよかった、ちょっと得して幸せと思ったことも少し載せておきます。
- 勉強会で美味しいお弁当が出る。
- 病院や薬局の福利厚生で安く薬を買えたり、治療を受けられたりする。
- ちょっとした風邪なら受診せずに、自宅にある薬で治せる。
- 医療機関を受診した際に、薬剤師であることを伝えると、本音や深い情報を教えてくれることがある。
- 社会的な信用度が意外と高い。
- ある程度のスキルがあれば、高齢になっても、どんな場所でも仕事がある。
- 常識的な同僚が多い。
仕事以外の夢ってありますか?


夢、キャリアというとなぜか仕事のことばかりをイメージしてしまいますが、広い視点でみると、キャリアとはひとの生き方そのものを指しており、夢は仕事で叶えるものばかりではありません。
例えば、家族でヨーロッパに行くのが夢、笑いの絶えない家庭にするのが夢、子供の手が離れたら、あちこち旅行に行くのが夢…。
人生の中で叶えたい夢をとにかく書き出してみる
仕事のことだけでなく、プライベートなことまで、自分がいいな、叶えたいなと思っていることを沢山ノートに書きだしてみましょう!
そうすると、自分の中で、仕事や家庭にどの程度時間を割くべきなのか、どんな人生を送りたいと心の中では思っているのかが少しずつ明確になってくるはずです。
仕事ばかり、家庭ばかりに比重をおいてしまうと、人生の後半に向かって、やり残したような、後悔のようなものを感じることがあります。
思い立ったらまず、書き出してみることをおすすめします!
悩めるママ薬剤師はどのような働き方をすればよい?


最低限考えなければならないこととしては、人生で最も重要だと思っていることは何か、子育てのイメージ、マネージメント職につきたいかどうかの3点だと思います。
もう1点、専門資格を取得したいかどうかも一度考えてみたほうがよいでしょう。
がん薬物療法認定薬剤師など、特定の施設での数年単位での研修、論文や症例などの提出や学会参加など取得条件が多く、維持も比較的難易度が高いため、早めの検討が必要だからです。
さらに仕事や子育て以外で叶えたい夢がある場合、お金や時間などのことも考慮にいれたほうがよいでしょう。
人生で最も重要だと思っていることは何?
母親たるもの、子どもが一番大事だって言わないといけない…、そんなことはありません。優先順位が仕事や自己実現が先でも問題はないと思います。
そのため、もしも子育てよりも仕事を優先する場合は、夫婦でよく話し合い、祖父母のサポートや外部サポートを細かく調べておいたほうがよいでしょう。
そして万が一子どもがピンチに陥ったときは、仕事よりも子どもを優先する覚悟はどこかで持っておいたほうがよいかもしれません。



子育てはマニュアルのように順調にはいかないものなので…



本当に色々あったな…(涙)
子育てのほうが重要だと考えている場合は、子どもが中学生以降に仕事量を増やしていくイメージで、キャリアをどうしたらよいか考えるとゆとりのあるビジョンが描けると思います。
子育てのイメージ
息子が4月から中学生となり、中学受験も経験しています。これまでの私自身の経験や、周りの様子から子育てのイメージをまとめてみました。
乳児期は風邪や病気で頻繁によばれ、看病をしないといけない体力的な大変さ、幼少期はしつけなどの大変さ、学童期は勉強やいじめなどのトラブルの大変さがあります。学校によってはPTA活動や子供会の負担も大きいです。
体力に自信があり、さらに周りのサポートがあるなどの場合は、幼少期まではなんとか正社員で乗り切れる方が多いです。しかし、残業や夜勤、出張、学会参加などは困難になるケースが多いです。



子どもに持病があったり、発達の遅れがある場合は、正社員継続が困難になこともあります。
学童期は、こども本人の性格だけでなく、学校などの周りの環境がよければ、正社員継続できますが、そうでなかった場合は、子どものサポートに追われる可能性があります。
習い事や少年団などの活動に参加させたいという欲が出てくるのも学童期です。送迎に時間がとれるのかなども考えてみてもよいでしょう。
また、中学受験を考えている場合は、子どもがかなり自立している場合でも、送迎や勉強面などそれなりのサポートをしなければ乗り越えられません。
教育にどのくらいお金をかけたい?
子育てにおいて考えなくてはならないのは、時間だけでなく、教育にかけるお金です。
家計の中で教育にかける割合は非常に大きく、気が付くと大変な出費になり、家計が火の車…なんてことも。
まずは子どもは何人いて、子どもを大学まで行かせるのか、小学校から私立に行かせたいか、習い事は何をさせたいか、塾などに行かせる予定はあるのか、中学受験をするのか、留学などは考えているのかなど、大きくお金が動くところをイメージしてみましょう。
お金がかなりかかりそうな場合は、就職先はなるべく給与が高そうなところ、正社員が続けられそうなところ、長く続ければ女性でも出世できそうなところなど、すこし視点を変えて選んだ方がよいでしょう。
マネージメント職に就きたいかどうか
エリア長、薬剤部長などポストが限られている仕事は、正社員で長く勤務していている人に優先的に割り当てられます。
仕事の処理能力など個人の能力がどんなに高くても、キャリアの長さを覆してそのようなポジションにつくことはなかなか難しいでしょう。



薬剤師の仕事は、営業などと違って、個人の能力を正確に把握するのが困難です。
そのため、このようなポジションを狙っている場合は、正社員でとにかく続けることを目標に、なるべく転職などは避けたほうがよいでしょう。



チェーン薬局の薬局長くらいなら40代くらいから正社員でも狙えそうですが…。
専門資格を取得したいかどうか
認定薬剤師や専門薬剤師には、分野別に多くの種類があります。
療養指導士のような資格まで合わせると、約60種類くらいあります。
数が多すぎるため、こちらでは書ききれませんが、資格のほとんどは病院薬剤師でなければ取得、維持できないものがほとんどです。
資格によって取得に必要な年数や経験、論文数などが異なるため、興味のある専門資格がある場合は、就職や転職前に調べたほうがよいでしょう。
また、資格によって資格手当があるもの、キャリアアップにつながるものなどもあります。収入面が気になる場合はそちらも確認した方がよいでしょう。
おわりに


私自身の子育てや仕事との向き合い方をまとめました。
わたしの子育てへの向き合い方
時には想像していた以上に仕事よりも子育てを優先せざる負えない状況になることもあるでしょう。
私自身も切迫早産で退職、こどもの病気、いじめや自分自身の体調不良など何度となく困難がありました。



私自身も色々な人に助けてもらい、少しずつですが自分のやりたいことを継続しています。
無理だとはじめから諦めている人のところにはそのような偶然は起こりません。
まずは自分の中で大切なものの順番を整理し、やりたいことをイメージし、可能な限り方法を模索し、難しいときには周りの手を借りながらバランスをとりつつ、人生や仕事が続く限り頑張り続けていきたいです。
わたしの仕事への向き合い方、キャリアのとらえ方
子育てを経て、「キャリア」という言葉のとらえ方も変わりました。
「キャリア」を出世すること、成功することと捉えると苦しくなります。
高い貢献をするためには、正社員であること、残業や出張ができること、学会に出席することなど、能力だけでなく時間的な貢献も当然求められます。
時間を割かざる得ない子育てとの相性は悪く、「出世=キャリア」と捉えてしまうと、「自分は何もキャリアがない、やっていることは価値が高くない」と感じてしまい、モチベーションの低下や自己肯定感の低下につながってしまいます。
私が人生においてもっとも重要だと考えていることは、自分らしく生き、自分にできることで精いっぱい社会に貢献することだと思っています。
仕事は長い人生のなかでのほんの一部でしかありません。日本の未来をつくっているという意味では、子育ては立派な社会貢献です。
プライベートと仕事を切り離して考える人もいますが、プライベートも仕事も同じ人間がおこなう以上、お互いに影響しあって当たり前です。
プライベートで学んだことが仕事に活かされることもありますし、仕事で学んだことが子育てなどに役立つこともあります。
「キャリア」の捉え方でモチベーションが下がったり、自己肯定感が下がるなど、ばかばかしいことだと思います。
前述したように、「キャリア」の捉え方は人それぞれです。人生そのものを「キャリア」と考えている人もいます。
これからも微力ながら社会に還元していけたらと思い、「キャリア」を諦めずに、自分なりに進んでいきたいと思っています。
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