私は女性なので、申し訳ないですが、あくまで女性の視点で今回は語らせていただこうと思います。
世間の薬局薬剤師のイメージ

直接は失礼すぎるせいか言われたことはないですが、よくネットで言われていることは…
- 狭い薬局で一日過ごさなくてはいけなくてつまらなさそう
- 袋に薬を詰めるだけの仕事で、楽そうだけど面白くなさそう
- 女性が多いから人間関係が面倒くさそう
- 性格のきつい人が多そう
薬局は女性が多くて働きにくい?
女性が多いことがいいことなのか、悪い事なのか。それは人にもよるかとは思いますが、3つの職場を移動や転職で見てきた私の感想を書いていきたいと思います。
大体女が沢山集まるとろくなことがないことが多い。

女性が多いとすぐに始まるのがマウンティング、悪口、噂話などのイメージがあります(実際女子高時代や今のママ友関係も深い関係になると、仲間外れや噂話などろくなことはない印象です。そのためママ友とは基本的に一定の距離を置いてつき合わせていただいています。)
女子高経験者の私としては大学の共学の方が過ごしやすかったため、実は始めは少し怖かったのですが、それほど女性が多いデメリットは感じた事はありません。
薬局は逆に女性が多くて非常に楽

薬局の職場で一緒に働いている人とは、女性特有のトラブルに今のところ巻き込まれたことがありません。
仕事場が暇すぎるとそういうことも起こるのかもしれませんが、基本的に薬剤師も医事さんも余剰な人員は雇わないため常にぎりぎりであることがほとんどです。あまり無駄話をする時間はありません。

昔からある個人薬局だと、暇すぎて…なんてこともあるかもしれません。
また、向上心が高い人が多い為、他人の噂話に割く時間があるくらいなら薬の勉強をしたいという人が多い気がします。理系なためか、比較的論理的なので、感情で相手を攻撃したりはしない人が多いです(ひそかに嫌っている可能性はありますが…)
仲たがいしている場合ではない
これが一番大きいかもしれないです。とにかく目の前の仕事をトラブルなくこなしていかないといけないという目的があるので、少ない人数で仲たがいをしている場合ではありません。協力していかないと、困るのは自分です。そうなると自然と相手を仲間外れにしようとかというゆとりがなくなっていくのだと思います。
性格のきつい人が多い?
これは??ですね。完全にイメージだと思います。医療従事者は性格がきついと言われますが、きついのではなく、責任感が強いだけだと思います。世間一般と同じくらいか、むしろママ友や高校時代の友人の方がよっぽどきつい性格の人が多かったように思います。
女性が多いので、子育てに理解がある
大手チェーン薬局は女性が多くても、若くて独身女性が多いので少し勝手は違いますが、全体的にはこういう傾向はあると思います。会社の方も子育て中の女性を不遇してしまうと、会社として成り立たなくなるので比較的寛容で福利厚生が充実していることが多いです。
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女性でも比較的出世しやすい
普通の会社は男性が多いので、どんなに頑張ってもまだまだ女性が管理職に就けない職場が多いと聞きます。
しかし薬局はもともと女性が多いので、管理職も社長も女性が沢山います。子育て中の女性も多い為、管理職になりたがらない女性が多く、仕事でバリバリ上を目指したい女性はかなり上を目指しやすい職場だと思います。
薬局薬剤師の仕事はやりがいがなくて、つまらない?
袋に詰めるだけのルーチンワークなの?なんて昔少しデートした事ある男性に言われて頭にきて即刻会うのをやめた経験がありますが、世間のイメージはそんなものなのかもしれません。
患者さんに結構ありがとうと言ってもらえる
「アンサングシンデレラ」をご存知でしょうか?去年ドラマ化されて、各薬学部でも薬剤師の仕事紹介で勧められている漫画です。↓
面白いし、仕事内容としてはよく調べられているのですが、少し大げさなのと、セリフで何点か気になるものがあります。
「感謝されたいんだったら薬剤師になるな」というセリフがあります。
感謝の程度が医師並みに深く涙を流す程感謝されるかどうか、という視点で見るとそうかもしれませんが、私の感覚では比較的日常的にそこそこ感謝されている気がします。
飲み合わせのチェックをした時、疑義紹介で医師のミスを訂正した時、薬の相談に乗った時、患者さんの愚痴に付き合ったとき等、些細な事と言われてしまえばそうかもしれませんが、感謝されていると思います。そして私はそれをとてもやりがいに感じています。
子どもや家族に薬の知識が使える
医師程の専門知識はありませんが、浅く広く医療知識はあるので、比較的軽い症状であればOTCや自分の薬局で購入した薬(処方箋医薬品以外)の自前で治せてしまいます。
病院にかかった時にも医師が何を知りたがっているのか大体わかるので、情報の伝え方がうまくなります。出された薬の効能、効果、医師がどういう考えで処方したかも大体わかります。
専門領域の垣根がない
医師はリウマチ科、外科、消化器内科…などそれぞれ専門があり、浅く広く医療知識はありますが、最新の知識は専門領域以外はアップデートされていないことがほとんどです。(特に外科の先生は…な古い処方を出されることが多いです)
良くも悪くも全ての科目の処方薬を受けなくてはならないため、必然的に薬に関してはどの科目も最新の知識を勉強しなくてはなりません。でも逆に言えば、全ての科目の最新の知識に触れることが出来るのです。私はこれが結構楽しいと感じています。
毎日患者さんとの会話が楽しい

私は基本的に話すのが好きなので、毎日数十人の人と話せて楽しいです。私たちが基本的には薬の知識を患者さんに伝える立場ではありますが、逆に患者さんから教えられることもありますし、人生の先輩として患者さんから学ばせてもらうことも多いです。
普段の生活では絶対に友達や知り合いにならないような人が沢山来るので、色々な意味で勉強させてもらっています。
勉強会が沢山あって楽しい
勉強会が好きかどうかで別れるかと思いますが、医師や看護師、薬剤師、時には栄養士さんの話を聞いたり、皆でディスカッションするタイプの勉強会もあったりするので、私は毎回「今日はどんな新しいことを知ることが出来るかな?」とワクワクしながら受講しています。
子育ての経験が活かせる
子どものいるお母さんは薬をどうやって子供に飲ませたらいいのか悩んでいるお母さんが多いです。
自分のこと以上に神経質になっているお母さんも多い為、その気持ちに寄り添い、悩んでいることを分かって汲んであげられるのは、同じ苦しみを味わった経験のあるお母さん薬剤師なのではないでしょうか。実際自分にも小さな子供がいる事を話すとほっとした顔をするお母さんも多いです。
他の薬剤師や医事さんと協力して仕事をするのが楽しい
薬局はいかに短時間で調剤をこなし、正確な監査、投薬を行うことが出来るかどうかがとても重要です。そのため必然的に他のスタッフとのチームプレーが求められます。慣れてくるとこれが楽しく、自然と仲間意識や信頼が芽生え、プライベートな事も相談できる間柄になります。
大人になると中々友人ができにくいと言います。実際私は何年間も子供関係のお母さんたち、習い事で知り合った人たちと交流してきましたが、プライベートなことまで話せるような気の許せる友人は一人もできませんでした。しかし、職場で知り合った人とは今でも付き合いがある人が多いです。
薬局薬剤師のデメリットは?
- とにかく出会いはないです。女だらけの為、ぼーっとしているとあっという間に独身のまま終わります。結婚したいという気持ちがある場合は色んな手段(合コン、お見合い、紹介など)を使って積極的に攻めていく必要があります。(女性薬局薬剤師は独身が多いです。男性は皆既婚です。)
- 海外に行ったり、グローバルで大きい仕事はない。(せいぜい管理薬剤師になったりエリア長になるのが関の山なので、大きな仕事をしたいという人にはお勧めできません)
- 他業種と連携を個人的に取っている人はいるが、自分から動かなければ基本的に薬局内の人間関係で終わってしまう(在宅など、一部連携を取らざる得ない仕事についている人もいますが、基本的には病院とは違い、他の医療スタッフと連携しなくても仕事は完結できてしまいます。)
メリット、デメリットをどちらの方が大きいと感じるかは人それぞれ
本人の性格により、メリット、デメリットをどちらの方が大きいと感じるかは本当に人それぞれだと思います。けれど私は薬剤師という仕事は外から見ている人が感じているよりは面白い、奥の深い仕事だと思っています。
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