錠剤がのめない子必見!簡単に飲めるようになるコツを薬剤師が教えます

飲みにくい薬の飲み方

 

あっさり一度のチャレンジで飲めるようになる子もいれば、なかな異物感が気になって飲み込めないお子さんもいるかと思います。お悩みの親御さん向けに色々書いてみました。

子どもはどうやって錠剤をのみ込むことができるようになっていくのか。

出典:いらすとや

大体いつくらいから錠剤をのみ込めるようになるのか。

そのような統計をとっているのも見かけたことがないので、実際はどのくらいの割合の子が、どの年齢で飲めるようになっているのかはわかりませんが、体感的には早い子で4歳前後で飲めるようになっているようです。娘も4歳の時に一度のチャレンジで飲めるようになりました。

平均的にどのくらいで子供は錠剤に切り替わっていくのか

小児科の処方も7歳くらいから錠剤と粉薬が半々くらいになり、9歳くらいになると8割方が錠剤の処方に切り替わります。

どのようにして最初はチャレンジしているか?

始めは小さな錠剤や、万が一飲めなくても噛んだりできる薬で始めている方が多いようです。

私自身も子供には、家にある市販で売られているビオフェルミンで始めました。患者さんに多いのはやはり小さな錠剤や、少し大きめですが、キプレスチュアブルのような飲めなかった場合に噛んで飲める薬、OD錠(口の中で溶ける薬)を先生に出してもらってチャレンジしていました。

他に小さい薬としてはメジコン(デキストロメトルファン)クラリシッドなどが小さいのでもし処方で出るようであればチャレンジしてみてもいい薬だと思います。

よく処方で出るカロナールは大きいので、もしチャレンジする場合は2つに割って小さくしてから始めてみてください。簡単に自宅でも割ることが出来ます。

こんな風にスプーンの後ろにカロナールを載せて…割線の両方から圧力をかけると…

こんな感じでパキッと割れます。割線のある薬だと割とこの方法で割れる薬が多いので試してみてください。包丁で割るよりも安全に割ることが出来ます。

一度目のチャレンジは失敗。どうしたらいい?

小学校入学前であれば、粉薬やシロップを飲んでくれる子であれば様子見でいいと思います。たまにチャレンジさせていれば、ふとした時に出来るようになることがあります。

かばこ
かばこ

叱りながらやってしまうと委縮してできなくなったり、薬そのものを飲まなくなるので、注意が必要です。

注意として、3歳以下の子には無理して飲ませないように!気管支の方に入って誤嚥に繋がる可能性があります!

小学校入学後であるならば、少し工夫して再チャレンジしてみてもいいかもしれません。

自転車に乗るのと一緒で、コツさえつかめば体の仕組み的にはもう飲み込めるはずです。一度飲み込めた体験をすればあとはすんなりいくことが多いので、少し工夫をしてみましょう。

どんな工夫をすればいい?

大体薬を飲めない子は口の中でぷかぷかさせてしまい、飲み込むタイミングを逃す事がほとんどなので、プカプカさせないようにすぐに飲み込んでしまえる工夫をします。

舌の先ではなく、なるべく奥の方に薬を置くようにしましょう。 舌にくっついてしまう場合は少量のゼリーの上に錠剤を載せて、奥の方に置きましょう。(これで更に喉の方に流れやすくなります)そしてそのまま上を向いて、適量の水で、あまり迷わずに飲み込んでしまいましょう。(多すぎるとむせってしまったり、またプカプカさせてしまうので注意です)

始める錠剤は小さくて、苦みのない薬を選んでください。ただでさえ苦手意識があるので、少しでも苦手なものは除いてあげた方が成功率は上がると思います。

また、失敗するとイライラしてしまうかもしれませんが、怒ってしまうとますます飲み込めなくなるので、チャレンジの回数を増やして様子見でいいと思います。

錠剤は飲み込めなくても、ずっと粉とシロップでいいんじゃない?

出典:いらすとや

これはあまりお勧めしません。シロップや粉薬のような飲みやすい工夫がされている薬はあまり種類がありません。

3000種類ある薬のうち、感覚的には100種類あるかないか?です。

病気にかかった時に薬を飲むことができず、苦労してしまうと思います。

病気になって、錠剤しかない薬しか治す方法がないとしたら

選択肢としては…

  • OD錠やチュアブル錠があればそれに変えてもらう。(最近は嚥下困難な病気の方や高齢者の方向けにこういう薬が増えてきているので、このような薬の形状があればラッキーです)
  • 薬局で粉砕してもらう→時間がかかるうえ、コーティングがはがれるのでとても苦いです。吸湿性の高い薬などの中には粉砕できないものもあり、別の薬への検討をしてもらわなければならないものもあります。
  • 注射してもらう。→基本的にはとても手間がかかるので、錠剤がある普通の病気用の薬を健常人に対して注射することはほとんどないと思います。(嚥下困難や意識がないなどの特別な場合をのぞく)とても嫌がられることは間違いないです。

粉薬やシロップは体重が増えてくると飲む量が増える

粉薬やシロップは体重に応じて服用量が決まっているので、体重が増えてくると量が増えてきます。錠剤であれば、主薬だけでいいのでそれほど大きくならないような薬でも、粉やシロップ剤はコーティングのためにすごい量になってしまいます。

正直調剤していても、こんな量を飲む方が、錠剤を飲むよりもよほど辛いのではないかと思うくらいです。

大人になっても飲めない人は実際いるのか

数は少ないですがいらっしゃいます。

OD錠や粉薬で対応するのですが、粉の剤形が市場に存在していても、他の人の処方で出ていないため、3日後にしか手に入らない…(すぐにでも飲まないといけない薬だと致命的です)、多量に出ているが粉砕しないといけないため時間と手間がかかる…などなかなか薬局泣かせでした。

かばこ
かばこ

他の薬剤師が、「ハンバーグが食べれているんだから、本当は飲み込めるはずだけどね…」と呟いていました。確かに…!と思ってしまいました。

薬は怖い!という恐怖心から飲めなくなっているのかもしれませんね。

焦るものでもないが、小学生になったら意識的にチャレンジしてみよう

出典:いらすとや

上に書いてきたことのまとめになりますが、小学生になったら親は錠剤のチャレンジしてみましょう。一度飲めてしまえばそんなに難しいものでもないし、粉薬よりも量が少なく、保管もしやすく、妙な甘ったるい味もしません(小学生くらいになると逆にあの粉やシロップの味を嫌がるようになる子が多いです)。お薬との付き合い方がもっと楽になりますよ!

かばこ
かばこ

先日ずっと飲めないと悩んでいた10歳のお子さんが、小さな錠剤を飲めるようになった!と嬉しそうに報告してくれました!

ずっと粉や粉砕にするために待たせてしまったり、後日取りに来てもらっていた患者さんだったので、お母さんも負担が減ってほっとした顔をされていました。

良かったですね❣

 

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