糖尿病専門病院に勤める薬剤師です。
糖尿病と腎臓は非常につながりが深いので、腎臓に関しても他の一般の医療従事者よりは詳しいと思います。
高齢になると腎機能が落ちてきて、高血圧、高脂血症、糖尿病、高尿酸血症…など様々な病気にかかりやすくなります。
親やお世話になった人にお中元やお歳暮を贈りたいけれど、何を送ったらいいのか悩みませんか?
「食品はちょっと…」と言われても、じゃあ食品以外なら何がいいのよってなりませんか?
洋服とか好みもあるし、サイズもあるし、もっと当たりはずれあるじゃないですか…。
私自身が毎年悩んでいるため、悩んで調べた事、商品をまとめてみました。
実際に頼んだことがあるものも掲載しています!
- 腎臓が悪いとはどういうことか
- 腎機能が落ちている方におすすめのプレゼント
腎臓が悪いってどういう状態?何がおきるの?
腎臓が悪いとは、腎臓の機能が落ちているという事です。
具体的に腎機能がおちてくると何が起きてくるのでしょうか?
見ていきましょう!
腎臓はどんな役割を果たしている臓器?
腎臓とはどのような働きをしている臓器なのでしょうか?
簡単にまとめました!
尿をつくり、水分・電解質、そして血圧を調節する
腎臓の最も大きな役割は、尿をつくることです。
腎臓には心臓から送りだされる血液の約4分の1が流れ込み、まず最初に糸球体という場所でざっくりと必要のあるものは再吸収され、残りはろ過されて原尿となります。この原尿は約150ℓほどあります。
原尿には、不要な老廃物と体に必要な物質(水分、糖分、ナトリウム、アミノ酸など)がまだ含まれています。
そのため、体に必要な物質は、原尿がボウマン嚢を通過して尿細管を流れる間に吸収されて血液中に戻りますが、老廃物は尿となって、尿管から膀胱へいき、排尿されます。
腎臓のこうした働きは、体内の水分量や血液中の電解質(ナトリウムなど)の濃度を一定に保つことに役立っています。
ビタミンDの活性化と造血ホルモンの分泌
骨をつくるのに必要な栄養素であるビタミンDは、魚やキノコ類に含まれていますが、体内で活性型ビタミンD3に変化させることによってはじめて機能します。
このビタミンDを活性化させるのも腎臓の役割のひとつです。
また、腎臓では、赤血球をつくることと関わりの深い造血ホルモン「エリスロポエチン」がつくられています。
そのため、腎臓の働きが低下し、「エリスロポエチン」の分泌が不足すると、貧血が起こります。
腎臓が悪くなると何がおきるの?
腎臓が正常に働かなくなると、腎臓が行っていた働きに障害がおきます。
- 水分が上手に排泄されなくなります
- 血圧が上昇します
- 尿酸値が上がります
- 電解質のバランスが崩れます(Na値、K値、Ca値の上昇など)
- 老廃物を上手に出せなくなります
- 貧血になります
- 骨粗鬆症になりやすくなります
- 薬が効きやすくなります(薬の用量を減らす必要があります)
検査値で腎機能が落ちている事はわかる?
尿検査と血液検査の二つから腎機能が落ちているかどうかがわかります。
腎機能が落ちてくると、最初にアルブミン(たんぱく質の一種)が排泄されるようになります。
その次に尿たんぱくが増えてきます。
腎機能低下が進行すると、eGFRという血液検査が徐々に下がってきます。
参考資料として、厚生労働省のCKD分類の資料を載せておきます。
腎臓が悪い時に気を付けるべき食べ物は?
まずは塩分、次にカリウム、たんぱく質の取りすぎに注意する必要があります。
塩分を減らしましょう
腎機能(eGFR)が60(mL/分/1.73m²)未満の場合は、高血圧がなかったとしても6g/日以下にするのが良いと言われています。(日本腎臓財団HP 参照)
塩分を減らすことで、以下のような効果があることが分かっています。
- 血圧を下げる
- 薬がききやすくなる
- 腎臓の障害を抑える
塩分調整のテクニック
いきなり6g/日以下にするのはなかなか難しいかもしれません。
おもに調味料やお漬物などの添え物からの塩分摂取量が多いといわれており、これを気をつけるだけでも随分変わってくると思います。
以下に塩分を減らす料理のテクニックを紹介しました。↓
- 具を増やす
- 塩分が入っていない出汁を利用する
- 酢やレモン汁などの酸味を利用する
- 料理の中に塩を使うのではなく、最後に振りかけるようにして使用料を減らす
調味料の工夫でかなり減塩できるので、頑張ってみましょう!
野菜・果物の量を調整しましょう
腎機能が低下すると腎臓からのカリウムの排泄が少なくなり、体に溜まってしまい「高カリウム血症」になります。
高カリウム血症は、不整脈を発生させることがあるので注意が必要です。
バナナ3本くらいの量です。さつまいもは1本くらいです。
カリウムを多く含む食事として以下のようなものがあります。
果物
- バナナ
- アボガド
- キウイフルーツ
- さくらんぼ
- メロン
- なつみかん
- もも など
果物
- バナナ
- アボガド
- キウイフルーツ
- さくらんぼ
- メロン
- なつみかん
- もも など
野菜
- いも類全般(里芋、さつまいもなど)
- かぼちゃ
- 白菜
- キャベツ
- なす など
その他
ココア、インスタントコーヒー
細かく切る、よく洗う、ゆでる、炒める、煮込む、揚げる、炒めることでカリウムが減ります。
ものにもよりますが、大体20%くらいはカット出来ます。
このように、調理法の工夫でも減らすことができます。
夏はスイカとカボチャ、秋はイモの食べ過ぎでカリウム値が上がる人が多いですね
タンパク質の取りすぎに注意しましょう
タンパク質は、体に吸収された後に代謝を受けて最終的に尿素窒素(BUN)になります。
具体的にはBUNは以下のような影響をもたらします。
- 腎臓の糸球体への負荷
- 代謝性アシドーシス(血液が酸性になる)
- ミネラルの異常 など
そのため、腎機能低下があるときはタンパク制限が推奨されることがあります。
どちらのタンパク質もとても身体に大切なものなので、とりすぎないように、少しずつバランスよくとりましょう!
一方で、タンパク制限には以下のようなリスクがあります。
- 身体機能への影響(特に高齢者で体力が落ちている人は注意)
- 食事量の低下
- 他の栄養素でのカロリーの補正の難易度が高い など
タンパク質制限は自分自身でやるのは難易度が高いので、栄養士さんのアドバイスや市販のものを利用しながら行った方がよいでしょう。
【参考資料】
お中元、お歳暮、プレゼントに何を送ったらいいのか悩んでいませんか?
親や義理の親などであれば、ギフトでなくてもお弁当のサポートのプレゼントなどでもいいのかなと思い、それも合わせてまとめてみました。
食べた事のあるものは、味の感想も記載しました!
※値段に関してはR5.9.9現在のものであることをご了承ください。
ギフト編(3500~5000円前後)
からだを想うギフト 減塩調味料7種セット
楽天で5200円(税込み)です。
ほぼ毎年どこかでは義両親に送っています。
義両親の家に遊びに行った際に少し食べさせていただいた事もあるのですが、塩分が少ないことにいわれないと気が付かないほど自然です。
そして何よりとても包装がオシャレなので、ギフトとしても送りやすいです。
からだを想うギフト 食塩不使用 洋風だし1袋 食塩不使用ドレッシング2本
楽天で3600円(税込み)です。
和風だしを無塩にするのは、かつおを購入して直接出汁を取ればよいのですが、洋風だしで無塩のものはなかなか売っていないので、喜ばれると思います。
ドレッシングもイタリアン風と中華風のものが入っていて、とても使いやすいセットになっています。
【茅乃舎だし】贈答箱入り・手提げ紙袋付き ギフト 5種類セット(8g×5袋) 茅乃舎だし・椎茸だし・煮干しだし・野菜だし・昆布だし
Amazonで3500円(税込み)です。
茅乃舎は福岡発祥の企業です。食品メーカーの久原本家が親会社で、国産、無添加に拘っており、焼きアゴ(トビウオ)、かつお節、真昆布などが入ったパックは化学調味料や保存料は無添加で、煮出すだけで簡単にだしがとれます。
ふぐの刺身
3人前でAmazonで4200円(税込み)です。
ギフト品は夫婦二人の家庭に送るには量が多すぎることはないでしょうか。
ギフトなので3000円から5000円くらいで探そうとすると、お菓子にしろ、果物や他の食品にしろ食べきれなくて困ってしまう事も。
ましてや腎臓に病気がある方であれば、量を食べる事はできないので、このくらいがちょうどよいみたいです。(もともと脂質やカロリーが少なく、1人前でだいたい40g程度なので、塩分もそれほど気になりません)
お弁当編
親や義両親の関係であるのであれば、冷凍弁当や宅配弁当を頼んであげて、料理の負担を減らしてあげるのも喜ばれるのではないでしょうか?
栄養士や医師が監修に入っている弁当をピックupしてみました。
※どれもご飯はついていませんので、ご了承ください。
ごはんはこちらがおすすめです
ウェルネスダイニング株式会社
ウェルネスダイニングは腎臓病食以外にも、高血圧、糖尿病、高脂血症などに対応した様々な宅配弁当を作っている会社です。
初回は7食セットで5184円(税込み)で頼むことができ、気に入った場合はその後続けることもできますし、もちろんそこでやめてしまうこともできます。
ペース(毎週、2週に1回、3週に1回、1ヶ月に1回)と、お届け量(7食、14食、21食)から組み合わせることが出来ます。
メディカルフードサービス
メディカルフードサービスさんは、医療、介護の食品メーカーさんです。そのため、腎臓病の対応食以外にも、柔らかい食やムース食などを扱っているのが特徴です。
タンパク制限食は6食5669円(税込み)でお試しセットを頼むことができます。
ニチレイ 気くばり御膳 冷凍弁当 ( 和食 7食 セット ) 野菜 使用量100g以上
こちらは定期便ではなく、買い切り型の弁当セットです。
7食セットで4540円(税込み)となっています。
みしまの御膳ほのか たんぱく調整食(冷凍弁当)低たんぱく 塩分調整 冷凍食品 7食セット
7食セットで6450円(税込み)です。
【たんぱく質調整】たんぱく質9.9g以下、塩分2g以下です。タンパク質を抑えた食事をしたい方におすすめの冷凍おかず弁当です。
減塩食品詰め合わせ
レトルトの減塩食品も重宝するので、おすすめです。
レトルト食品 惣菜 減塩 おかず 野菜 煮物 4種24食 詰め合わせ 国産乾燥野菜 セット イチビキ 常温保存
醤油、みそ、レトルト食品を扱うイチビキさんの減塩の煮物セットです。
3980円(税込み)で4種24食入っています。
減塩食品 バラエティ 詰め合わせ 11種 セット
パスタソース、カレールー、スープ、調味料などバラエティに入っています。
世田谷自然食品 極みのだし 減塩おみそ汁 (10種のバラエティ×各3食セット / 30食入)
30食で4758円(税込み)になります。
番外編(単品)
プレゼントというほどのものでもないけれど、減塩におすすめだと思う商品をのせました。
げんたシリーズ
627円(税込み)です。
675円(税込み)です。
1803円(税込み)です。
1840円8税込み)です。
801円(税込み)です。
素材力だし
610円(税込み)です。
まとめ
自分自身が親や義両親に送っているもの、薬局で喜ばれていたもの、自分が実際に食べてみてよかったもの、宅配弁当など、便利だなと感じているものなどを集めてみました。
よければ参考にしてください。
腎臓病の薬のことや、食事の工夫のことをもっと知りたい!というかたはこちら↓
コメント