メニレットゼリーが名称変更してしまったせいで色々わかりにくくなってしまいました。
現場でも久々に処方がでると少し現場が混乱しているため、まとめておきたいと思い記事を書きました。
イソソルビド内服ゼリー70%「日医工」はどんな薬か(概要)
血漿浸透圧を高めることで、脳圧降下作用、眼圧降下作用、耳の内リンパ圧降下作用、利尿作用を示します。通常、脳腫瘍・頭部外傷による脳圧亢進時の脳圧降下、腎・尿管結石時の利尿、緑内障の眼圧降下や、メニエール病の治療に用いられます。(添付文書より抜粋)
色々効果はありますが、臨床の現場ではほとんどメニエール病で処方される薬です。
メニエール病では第一選択薬になります。
1箱42個入で規格としては20g/個と30g/個のものがあります。
とにかく味に特徴のある薬で、苦みが強い薬です。


メニエール病とは?
激しい回転性のめまいと難聴・耳鳴り・耳閉感の4症状が同時に重なる症状を繰り返す内耳の疾患です。4症状が同時に起き、症状が一旦治まってもその一連の症状を数日から数ヶ月の間隔で繰り返します。
メニエール病の本態は内耳の内リンパ水腫である とされていますが、真の原因は不明です。疫学的に(患者の生活状況調査の傾向から)メニエール病の発症にはストレスが強く相関していることが分かっています。(Wikipedia参照)
めまいの発作を繰り返しているうちに耳鳴り、難聴が合併して進行してしまうことがあるので、すぐに薬は中止せずに頓服薬などを使用しながら3~6カ月様子を見ることが一般的です。
使用上の注意
イソソルビド内服ゼリー70%「日医工」はメニレットゼリーの名称変更品
上の写真を見た方は気づかれたかと思いますが、古くからある薬「メニレットゼリー」(2005年7月販売)の名称変更品です。
2021年の3月から変更になりました。
ジェネリック医薬品のような名前がついているので、単なるジェネリック医薬品なのか、本当に名称変更しただけで内容は全く同じなのか戸惑うところだと思うのですが、先発品扱いで、本当にメニレットゼリーが名称変更しただけの商品になっています。

どんな匂いや味の薬か。カロリーは?
メニレットゼリーと全く同じになりますが、メーカー説明では「褐色のゼリーようで、チョコレートようのにおいがあり、味は甘く、わずかに苦い」とあります。

主成分のイソソルビドに強い苦みがあるので、少しではなく、かなり苦みを感じる人が多い薬です。
カロリーは?糖尿病でも問題ないか。
カロリーに関する詳しい資料は見当たらなかったのですが、添加されている糖が人工甘味料なので、ほぼカロリーはないと考えていいと思います。糖尿病の人でも安心して服薬できます。
カカオ末,カンテン末,香料,クエン酸水和物,サッカリンナトリウム水和物,水酸化ナトリウム,バニリン,プロピレングリコール,無水リン酸一水素ナトリウム(インタビューフォームより抜粋)
どうすればこの苦みをごまかして飲みやすく出来るか
患者さんから聞いた話や、調べた情報によると、
- 冷やす(かさばる事、本来は常温保存できる薬なので、食べる少し前に冷蔵庫に入れておくといいかもしれません)
- 噛まないようにして、服薬した後はすぐにチョコなどで苦みをごまかす
- メーカー配布のフレーバーを使用する(薬局でメーカーから取り寄せてもらえる)
- コーヒーフレッシュ、練乳、はちみつと一緒に服用する(特におすすめはコーヒーフレッシュのようです)
メーカーのフレーバーはどんなものがあるか。有料か?
メニレットゼリー同様にミルク味,ココア味,ヨーグルト味の専用フレーバーがあります。
無料で配布しているので、調剤を受けた薬局に取り寄せをお願いしてみてください。
色々フレーバーを使ってどれが飲みやすいか実験したサイトもありました。→【試食】苦いメニレットゼリーはフレーバーを使うと飲みやすい
これによると、ミルク味とココア味がおすすめのようです。
どのくらいの期間飲むか
はっきりとした記載はありませんが、患者さんの話を聞いていて、体感としては数か月以上は続く傾向があります。
数日でスパッと効果が出てくるというよりはゆっくりと効果が出てくるイメージです。
メニエール病自体の発作を抑える為、基本的にはすぐに服薬を中止せず、3~6カ月様子を見ることが一般的なので、その程度は服薬を続けることになると思っておいた方がいいでしょう。
飲めなくて中断する人は?
今のところ皆さん、苦い苦いと文句を言いながらも何とか飲めている人がほとんどで、吐いた、飲めなくて諦めたという声は聞いたことはありません。
ただ、味に敏感な方などでは、気分が悪くなることもあり得る薬だと思うので、嘔吐してしまう場合などは早めに医師に報告してください。
同じ成分でイソバイドという液体商品もある
もともとはこちらの液体が苦すぎるという事で、メニレットゼリーが開発されたようですが、液体の方がゼリーよりも流し込める分だけましだった…という声もあるので、どうしてもゼリーが難しいようであればこちらを試してみるのも方法のひとつかもしれません。

写真は空容器です。薬は緑色の液体で、甘味があり、これもとても苦いです(涙)



イソバイドシロップも原液で飲みにくい場合は、リンゴ酢、桃ジュース、グアバジュース、コカ・コーラ、ポカリなどで薄めて飲んでいる人が結構いました。
こちらも冷やすと飲みやすいようです。
イソソルビド内服液70%「CEO」
後発品もあり、こちらの方が苦みは多少ましという口コミもあります。

カロリーは?
大体22.5Kcal/100ml程度で糖尿病の人であっても気にせずに服薬できます。
まとめ
イソソルビド内服ゼリーは代表的はメニエール病治療薬ではありますが、苦みの為に飲みにくい薬でもあります。工夫で少しでも楽に継続できればいいなと思っています。
イソソルビド内服ゼリーがどうしても飲めない場合、飲んでいても悪化する場合は、他にも薬や外科的な処置もあるので早めに医師に相談するようにしましょう。
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