ビルタサ懸濁用散分包とメトホルミンは相性が悪い?冷所保存が必須?真相を解明

ビルタサ(パチロマーソルビテクスカルシウム)は2025年3月に発売されたばかりの新薬です。2026年3月までは14日の処方日数制限がかかっています。

ほかの記事で、ビルタサと他の高カリウム血症治療薬(ロケルマ、カリメート、ケイキサレート等)の違いに関してはまとめているため、この記事では薬物相互作用という観点からまとめました。

高カリウム血症治療薬とビルタサの違いに関してはこちら

かばこ

先日ビルタサの勉強会があったため、メーカーさんに質問して得られた解答をまとめました。

この記事でわかること
  • ビルタサの基本情報
  • ビルタサの相互作用(メトホルミン、クレメジン、ニューキノロン系抗生剤、チラージン等)
目次

ビルタサの基本情報と効果

簡単にビルタサの製剤的な特徴や飲み方、注意点に関してまとめました。

ビルタサの特徴

ビルタサは、陰イオンポリマー(活性本体のパチロマー)とカルシウム・ソルビトールの対イオンで構成される非吸収性の陽イオン吸着ポリマーで、通常1日1回服用します。

ナトリウムを含まないため、浮腫など体液負荷を高める副作用が理論上想定されていません。

そのため、食塩制限などによる体液管理を含め、疾患管理が推奨されているCKDや心不全を併発する高K血症患者に対して、有用な治療選択肢として期待されています。

また、ビルタサは安全性の面でも特徴があり、腸管からの吸収がほとんどないため、全身的な副作用のリスクが低いとされています。

かばこ

ビルタサは1日に1回で良い点や、ナトリウムを気にしなくて良いという点で、コンプライアンス向上、長期服用に適している薬と言えるでしょう。

ハム吉

1日に1回でいいなら、寝る前に飲むこともできるね!

ビルタサの製剤形と投与方法

ビルタサは「ビルタサ懸濁用散分包8.4g」という単回投与パッケージで提供されています。

水に懸濁した後、経口摂取するため、患者が服用しやすい設計となっています。

成人の場合、開始用量は8.4gを1日1回経口投与することが推奨されています。

また、最大用量として1日25.2g(3包)まで投与することが可能です。

服用時は、懸濁した状態で飲む必要があり、粉末をそのまま服用することは避けてください。

ビルタサ患者指導箋より抜粋

ビルタサはさまざまな飲み物と一緒に混ぜて飲んでも問題ありません。※添付文書上には記載がありませんが、インタビューフォーム上には、記載があります。

参考に、インタビューフォームに記載されている、食べもの、飲料水に関してまとめました。

ビルタサを混ぜてもよいものリスト

脱イオン水、炭酸水、水道水、ボトルウォーター、アップルジュース、クランベリージュース、パイナップルジュース、オレンジジュース、グレープジュース、洋梨ジュース、アプリコットネクター、ピーチネクター、ヨーグルト、牛乳、増粘剤、アップルソース、バニラプティング、チョコレートプディング、緑茶、紅茶、麦茶、ウーロン茶、コーヒー、ゼリー飲料

かばこ

ほぼ何に混ぜてもよいと考えてよいと思います。

ハム吉

プリン、ヨーグルト、ネクターに混ぜれたら、かなり飲みやすくなりますね!

貯蔵方法は冷所?

冷蔵庫(2~8℃)で保管してください。

ただし、患者さんが保管する場合は、室温(1~30℃)で保存することも可能ですが、その場合は3カ月以内に使用することとされています。

かばこ

薬局の冷蔵庫の場所を取ってしまうのがネックですが、患者さんに渡したあとの保管に関しては問題なさそうですね!

ハム吉

夏場の保管は要注意!

参考資料

ビルタサと他の薬剤との相互作用

ビルタサの添付文書には、ニューキノロン系抗生物質、甲状腺ホルモン製剤メトホルミンとの相互作用に関して注意喚起がされています。

勤め先は糖尿病をメインに扱っているため、メトホルミンとの相互作用はかなり気になりました。

また、記載はありませんでしたが、クレメジンとの相互作用に関してもメーカーに確認したため、情報として以下にまとめました。

メトホルミンは効果が20%低下する?

メトホルミン塩酸塩(1,000 mg)ビルタサ(パチロマーとして 25.2 g)を同
時に投与したとき、メトホルミンのCmaxは34%低下、AUCinfは19%低下するとインタビューフォームに報告されています。

一般的に、薬の有効性に影響を及ぼすかどうかはAUCを見て判断することが多いので、この場合、2割近くも効果が落ちてしまうと考えられます。

しかし、高カリウム血症の主な原因は腎機能の低下であることから、ビルタサの投与対象は高カリウム血症の患者であることを踏まえると、ビルタサの開始用量8.4gを投与した場合、メトホルミンのAUCの低下は19%よりも低いと考えられます。

かばこ

腎機能が落ちている場合は、メトホルミンは高用量は投与していないでしょう。

また、ビルタサはゆっくりと1週間以上の間隔をあけて増量することを考えると、急激な血糖値が変化する可能性は低いと考えれます。

また、腎機能正常な人にビルタサを投与する場合も、高カリウム血症の程度が軽度と考えられるので、高用量のビルタサ25.2gまでを投与する可能性は低いと考えられます。

以上から、メトホルミンビルタサの相互作用が臨床上問題となる可能性は低いと考えられています。

ニューキノロン系抗生剤やチラージンとも注意が必要?

シプロフロキサシン塩酸塩ビルタサを同時に投与したときは、Cmax42%、AUC28%低下することが報告されています。

チラージン(レボチロキシン)ビルタサ(パチロマーとして 25.2 g)を投与したとき、AUCが19%低下したと報告されています。

ビルタサから放出されたカルシウムが消化管内でこれらの薬剤とキレートを形成することによって吸収が低下したと考えられています。

かばこ

これらの薬剤は、ビルタサの3時間前に投与することが推奨されています。

クレメジンとの相互作用は?

メーカーに確認しましたが、試験を行っておらず、明確な回答はありませんでした。念のため、2時間程度間隔をあけた方がよいとの回答でした。

しかし、以前クレメジンカリメートの相互作用を調べた際には、影響はないと考えられました。

カリウム吸着剤とクレメジンに関しての記事はこちら

主な理由としては、クレメジンは、分子量100~1,000の低分子物質を選択的に吸着するからです。

ビルタサに関しても同様に考えてよいだろうと考えられます。

参考資料

  • ビルタサ インタビューフォーム
  • メーカー提供資料

まとめ

この記事ではビルタサの基本情報から、薬の相互作用を中心にまとめました。

ビルタサは非吸収性の陽イオン吸着ポリマーで、通常1日1回服用します。

Naを含まないため、食塩制限などによる体液管理を含め、疾患管理が推奨されているCKDや心不全を併発する高K血症患者に対して、有用な治療選択肢として期待されています。

また、さまざまな飲料水やヨーグルトなどと混ぜることもできるため、コンプライアンス向上や長期使用に向いている薬であると言えます。

しかし、冷所保存であることや、ニューキノロン系抗生剤、チラージンとの相互作用には注意が必要です。

以上の情報が参考になれば幸いです。

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