アライとは、日本初の内臓脂肪減少薬であり、大正製薬から2024年4月8日に発売される新しい薬です。
この薬は脂肪分解を阻害し、脂肪を便として排出する効果が期待されています。
- アライの効果と最大限に効果を出す方法
- アライの副作用と対処方法
- アライを購入できる条件
- アライと類似の医療用医薬品はあるのか
アライはどんな薬?内臓脂肪を減らせる?副作用はあるの?
アライは、BMI25以上の方(男性は腹囲85cm以上、女性は90cm以上)を対象とした医薬品です。肥満症治療薬ではなく、肥満治療、肥満症予防薬という位置づけです。
誰でも購入可能、使用可能な薬ではありません。詳しく見行きましょう!
アライの作用機序とは?どのように体に作用するの?
アライに含まれる有効成分オルリスタットは、脂質の吸収を抑える効果がある、抗リパーゼ阻害薬です。
食事から摂取した体に吸収される脂肪を25%ブロックしてくれる効果があります。
具体的には、以下の作用機序によって効果を発揮します。
1. リパーゼの阻害
オルリスタットは、消化管内で脂肪を分解する酵素であるリパーゼを阻害します。
リパーゼが阻害されると、脂肪は脂肪酸とグリセロールに分解されず、そのまま体外に排出されます。
2. 脂肪吸収量の減少
リパーゼが阻害されることにより、食事から摂取した脂肪の吸収量が減少します。
脂肪の吸収量が減少すると、摂取カロリーが減少し、体重減少につながります。
3. 内臓脂肪の減少
オルリスタットは、特に内臓脂肪の減少に効果があるとされています。
内臓脂肪は、皮下脂肪よりも代謝が活発であり、オルリスタットによる脂肪吸収抑制の効果を受けやすいと考えられています。
4. コレステロール値の低下
オルリスタットは、脂肪吸収抑制効果に加えて、コレステロール値を低下させる効果も期待できます。これは、リパーゼが阻害されることにより、コレステロールの吸収も抑制されるためです。
5. 血糖値の改善
オルリスタットは、食後の血糖値の上昇を抑制する効果も期待できます。
これは、脂肪吸収抑制効果により、食後のインスリン分泌量が抑制されるためと考えられています。
アライは内臓脂肪を減らす効果以外にも効果がある?
大正製薬の発表しているデータの一部を以下にまとめました。
24週(約6カ月) | 52週(約1年) | |
内臓脂肪変化率 | ‐16.4% | ‐21.52% |
腹囲変化量 | -3.59cm | -4.82cm |
アライには肥満改善効果がある!
内臓脂肪を減少させることによって、肥満の改善効果があります。
内臓脂肪は健康リスクの要因となることが知られており、アライによって内臓脂肪を減らすことで肥満の改善が見込まれます。
糖尿病治療効果はあるの?
内臓脂肪が多いと、インスリンの効果が低下し、糖尿病の発症リスクが高まります。
アライによって内臓脂肪を減らすことで、糖尿病の治療効果が期待される可能性があります。
アライに痩せる効果はあるの?
アライは内臓脂肪を減少させる効果が期待されますが、直接的な「痩せる」効果があるかはまだ研究が進行中です。
アメリカのクリニックでは、あまり体重を減らす効果はないとの意見があがっているようです。
参考資料
- 内臓脂肪減少薬「アライ」|大正製薬
- Efficacy and Safety of Lipase Inhibitor Orlistat in Japanese with Excessive Visceral Fat Accumulation: 24-Week, Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Study
- 新しい抗肥満薬アライ(Alli)が発売されますが…「油漏れ事故」にご注意ください
- XENical in the Prevention of Diabetes in Obese Subjects (XENDOS) Study
- 肥満治療薬オルリスタットが肥満者の2型糖尿病発症を予防−−XENDOS試験より
「アライ」の用法用量とは?効果的な飲み方とは?
アライは、水を用いて1回1錠(60mg)食事中又は食後1時間以内に服用することが推奨されています。
食事と一緒に摂取することで、食べ物の脂肪の吸収を抑えることができます。
年齢 | 1回量 | 服用回数 |
成人 | 1カプセル | 1日3回 |
18歳未満 | 服用しないこと |
アライの効果的な飲み方とは?
水分摂取を多くすることで効果的な摂取が可能です。
アライと食事との関係
アライを服用する際は、バランスの取れた食事と適度な運動をすることが大切です。
食事や運動の習慣を変えることで、アライの効果を最大限に発揮することができます。
アライとビタミンとの関係
アライによって、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、E、K、βカロテンの吸収も阻害される可能性があります。
アライを長期に服用する場合には、これらのビタミン類の摂取量を増やしたほうがよいでしょう。
アライはマルチビタミンサプリの吸収も阻害するので、マルチビタミンサプリを服用する場合には、アライ服用後2時間以上経ってから服用してください。
「アライ」の副作用は下痢?対処法とは?
アライを服用する際、油の漏れや便の放屁などの消化器症状が報告されています。これらの副作用は、通常、服用を続けるうちに軽くなったり、消失したりします。
これらの症状は、食事中に含まれる脂肪が排出されることによって引き起こされる可能性があります。また、稀に下痢や腹痛などの消化器系のトラブルが発生することも報告されています。
「おならをすると便が漏れる」「気づかない間に肛門から油が漏れる」の2つは発生頻度が高く、それぞれアライを服用した人の20%程度で現れる副作用です。
これらの副作用は生活の支障をきたす可能性があり、生理用ナプキン、尿取りパッド、大人用オムツなどで対策すると良いでしょう。
アライの下痢に対する対処法
アライを服用する際には、上記のような副作用が発生する可能性があることを理解しておくことが重要です。
副作用が起こった場合は、薬剤師や医師に相談することをおすすめします。
水分摂取量を増やしたり、食事の内容を調整することで副作用の緩和が期待できる場合もあります。
内臓脂肪減少薬「アライ」はどこで買える?購入時の注意点とは
アライの購入方法についてご紹介します。
アライはドラッグストアで購入可能な要指導医薬品
アライは日本国内の薬局や薬店で購入することができます。
※ダイレクトOTCとは、医療用医薬品の発売を経ずに市販される医薬品です。
いずれオンラインでの購入可能となるかもしれませんが、現時点では対面販売のみとなります。
アライの価格はどのくらい?
アライの価格は、90カプセル(30日分)で8,800円(税込)です。(2024.3時点での発表)
「アライ」購入時には記録を見せなければならない!
前述したように、まず以下の条件を満たしていなければなりません。
さらにアライを購入する際には以下の一定の条件を満たす必要があります。
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- 購入前チェックシートを用いて、薬剤師と使用の可否の確認をおこなう必要があるスト
- 服用3か月前から服用中をとおし、生活習慣の改善にとりくむ必要がある
- 初回購入前の1か月間、および継続購入には生活習慣改善の記録が必要
とくに3番目の生活習慣の記録は重要です。
生活習慣記録チェックシートの代わりにアライ専用のアプリを使用することも可能です。
「アライ」は予約可能!早く手に入れたい方はそれまでに準備を!
腹囲やBMIが購入条件に該当しており、生活習慣病チェックシート、もしくはアプリでの記録を1か月分記載してあれば購入可能です。
早く購入したい方は予約をしてはいかがでしょうか?
アライはほかの国では医療用医薬品として販売されていた?
アライは国内では類似の作用機序のある医療用医薬品は発売されていません。
日本ではダイレクトOTCとして医療用医薬品を経ずに発売されるアライですが、他国では医療用医薬としても、一般用医薬品としても販売実績があります。
- 医療用医薬品:1997年にアルゼンチンで承認され、2023年現在100カ国以上で使用されている。
- 一般用医薬品:2007年にアメリカで承認され、2023年現在70カ国以上で使用されている。
アメリカではゼニカルとして発売されている?
アメリカでは1999年にゼニカルという名前で、オルリスタット120mg含有の医療用医薬品として販売されています。
7年後にアライ(オルリスタット60mg)としてスイッチOTCとなり、発売されています。
まとめ
アライに関する情報は、以下のサイトで詳しく紹介されています。
日本では効果・副作用のどちらもこれから議論されていく薬だと思います。
肥満に悩んでいる人は試してみてはいかがでしょうか?
肥満症治療薬のウゴービに関してはこちら↓
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