薬局に勤めていると糖尿病の病型まで知る機会がなかったのであまり注意してみていませんでした。
しかし病名がわかる病院では、要注意チェック項目なので、まとめました。
- 1型糖尿病と2型糖尿病の違い
- 1型糖尿病に使用できる飲み薬
1型糖尿病と2型糖尿病の違い
ここの詳しい分類は糖尿病専門医の領域になるので、一般的に言われている違いをざっくりと説明すると…
- 1型糖尿病⇒膵β細胞の破壊、通常は絶対的インスリン欠乏状態。自己免疫性と特発性の二つがある。
- 2型糖尿病⇒インスリン低下を主体とするものと、インスリン抵抗性が主体で、それにインスリン相対的不足を伴うものなどがある。
1型糖尿病の治療は基本はインスリン
1型糖尿病の人は、インスリンの絶対的な不足がある為、基本の治療は基礎型のインスリンと、即効型の強化インスリン療法を行っています。
それでは飲み薬で1型糖尿病の人に使用できる薬はあるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう!
GLP-1製剤は使用できるか
結論から言うと、2型糖尿病にのみ適応のため、1型糖尿病には使用できません。
1型糖尿病には、一部の飲み薬で適応があります(R6.3現在)
Ⅰ型糖尿病の治療のメインはインスリンですが、一部サブ治療として用いられる経口薬があります。
薬局にいたころは、1型糖尿病にはインスリンしか使えないのだと思ってました。
αーグリコシダーゼ阻害薬で適応あり
αーグリコシダーゼ阻害剤は全ての薬剤が1型糖尿病に適応が通っています。
作用機序を考えれば、当たり前かもしれませんが…。
SGLT2阻害薬の一部で適応が通っている
現在適応が通っているのは、スーグラ(イブラグリフロジン)、フォシーガ(ダバグリフロジン)のみです。
ちなみに心不全に適応が通っているのはジャディアンス(エンパグリフロジン)とフォシーガ(ダバグリフロジン)だけです。
ややこしいですね。
1型糖尿病と心不全の両方に適応が通っているのはフォシーガだけなんですね。
SGLT-2阻害薬の適応一覧表(R6.3現在)
SGLT-2阻害薬は薬によって適応が異なり、ややこしいため、注意が必要です。
SGLT-2阻害剤 | 1型糖尿病 | 慢性心不全 |
カナグル(カナグリフロジン) | × | × |
ジャディアンス(エンパグリフロジン) | × | 〇 |
スーグラ(イブラグリフロジン) | 〇 | × |
デベルザ(トホグリフロジン) | × | × |
フォシーガ(ダバグリフロジン) | 〇 | 〇 |
ルセフィ(ルセオグリフロジン) | × | × |
メトホルミン、ツイミーグなどのインスリン抵抗性改善薬は使えない?
作用部位や作用の仕方を考えると、効果がある可能性が高いと思います。
今後は適応が通っていく可能性がありますが、現在は2型糖尿病にしか適応が通っていません。
まとめ
入職してすぐのころに、1型糖尿病にDPP-4阻害剤が出ていたのを見逃して怒られました。
そもそも、1型糖尿病なのに、DPP-4阻害剤を処方した医師にも問題があるのでは…?
院長に呼び出されて怒られたので、二度と間違えないように今回は調べたことを記事にまとめてみました。
ほかの方の参考になれば幸いです。
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