ケレンディアに慢性心不全の適応が追加!注意点に関してまとめました!

ケレンディア非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬です。

これまでの適応は、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病のみでしたが、2025年12月に慢性心不全に対して適応が通りました。

この記事では変更点を中心にケレンディアに関する情報をまとめました。

ケレンディアは情報量が多く、糖尿病性慢性腎不全と、慢性心不全の両方に関して書くとややこしいため、今回は主に慢性心不全に関してまとめました。

糖尿病性慢性腎臓病に対するケレンディアの使い方

この記事でわかること
  • ケレンディアの基本的な情報
  • ケレンディアに慢性心不全の適応追加に関しての注意点
目次

ケレンディアの基本的な情報

簡単にこれまでのケレンディアの特徴に関してまとめました。

ケレンディアと他のミネブロ錠スピロノラクトン錠(アルダクトンA)、エプレレノン錠(セララ)との違いに関してはこちらを参考にしてください。

ケレンディア錠の適応症とは?

冒頭で説明したように、ケレンディア錠は、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病と慢性心不全(2025年12月追加)にのみ適応が通っている薬です。※末期腎不全、透析施行中の患者を除く

すでに進行してしまっているeGFR 15mL/min/1.73m2未満のCKDの場合は、有効性がはっきりしないこと、投与初期の腎機能低下や高カリウム血症のリスクが上がることから、ケレンディア錠の使用はかなり慎重になる必要があります。慢性心不全の場合は、eGFR 25mL/min/1.73m2未満に関しては禁忌となっています。

ケレンディア錠の効果・効能とは?

ケレンディア錠の主成分はフィネレノンです。

炎症及び線維化等を引き起こすミネラルコルチコイド受容体(MR)の過剰活性化を抑えることで心血管・腎臓障害を抑制する作用をもちます。

ケレンディア(フィネレノン)は非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬〈MRAであり、アンドロゲン、プロゲステロン、エストロゲン及びグルココルチコイドの各受容体には結合しません。

ミネラルコルチコイド受容体の選択性がとても高く、余計なところに作用せず、副作用が少ないという特徴があります。

アルドステロンによる細胞内MRの活性化により電解質の貯留・排泄が調節されていますが、MRが過剰活性化すると、腎臓や心血管系において、炎症、線維化、ナトリウム貯留や臓器肥大が生じます。

ケレンディア(フィネレノン)はMRに結合することで、MRの過剰活性化を抑制する作用があります。

動物実験のレベルでは、ステロイド骨格のミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬より強い抗炎症作用、抗線維化作用が認められています。

ケレンディア錠を投与する上で注意すること

以下に注意点をまとめました。

  • 慢性心不全に使用する場合であっても、慢性心不全の基本治療を受けていることが条件となっています。
  • 糖尿病性慢性腎臓病に用いる場合、eGFR15/ml/min未満、慢性心不全に用いる場合、eGFR25/ml/min未満の患者には禁忌となっています。
  • 腎機能に応じて用量調節が必要です。
  • K値の値によって投与量を調節する必要があります。
  • CYP3A4を強く阻害する薬剤(イトラコナゾール、リトナビルを含有する製剤、アタザナビル、ダルナビル、ホスアンプレナビル、コビシスタットを含有する製剤、クラリスロマイシン、エンシトレルビル)とは併用禁忌です。

ケレンディアを慢性心不全で使用する場合の注意点とは?

ケレンディアは、腎機能だけでなく、併用薬、K値、適応条件、適応症、用量調節などかなり注意して確認する必要がある薬です。

ややこしいことに、糖尿病性慢性腎不全と慢性心不全とでは、適応条件が異なるため、注意して確認しましょう!

ケレンディアが慢性心不全に適応になった経緯

この適応追加は、FINEARTS-HF試験と呼ばれる第3相臨床試験の結果に基づいています。

この試験では、左室駆出率40%以上、腎機能が保たれた慢性心不全患者さんを対象に検討が行われました。

その結果、ケレンディア(フィネレノン)の投与により、心血管死および心不全による入院や緊急受診を含む心不全イベントが、統計学的に有意に減少することが示されました。

心不全診療ガイドラインでの位置づけ

2025年改訂版心不全診療ガイドラインでは、ケレンディア(フィネレノン)は以下の心不全に対する薬物治療として、使用を考慮すべき治療(推奨クラスIIa)とされています。

  • 左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF:LVEF 50%以上)
  • 左室駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF:LVEF 41~49%)

重度の腎機能障害には使用禁忌

ケレンディアを慢性心不全に使用する場合は、重度の腎機能障害(25ml/min/1.73m²未満)の患者には使用できません。

かばこ

重度腎障害の場合は、十分な薬効が得られない可能性があるためです。

慢性心不全の標準治療を受けている患者に限る

慢性心不全の標準治療は、ACE阻害薬/ARB、β遮断薬、MRAの3剤を基本とし、さらにARNI(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬)SGLT2阻害薬を加えた「Fantastic Four(ファンタスティック4)」と呼ばれる4剤を早期から併用・最適化することが、最新のガイドラインで推奨されています。

かばこ

上記の治療薬のうち、どれかが使われていることが条件となっています。第一選択としては使用できません。

レセプトに左室駆出率40%以下であることを記載する

慢性心不全で使用する場合は、初回は心エコー検査は必須となります。

また、レセプトには左室駆出率40%以下であることを記載する必要があります。

腎機能に応じて用量調節が必要

以下は添付文書を基に作成しました。

腎機能用量
eGFRが60mL/min/1.73m²以上20mgから投与を開始し、血清カリウム値、eGFRに応じて、投与開始から4週間後を目安に40mgへ増量する。
25mL/min/1.73m² 以上60mL/min/1.73m²未満10mgから投与を開始し、血清カリウム値、eGFRに応じて、投与開始から4週間後を目安に20mgへ増量する。

K値によって用量調節が必要

先ほど腎機能に応じて用量調節が必要であると説明しましたが、更にK値に応じて用量を変える必要があります。

以下は添付文書を基に作成しました。

eGFRが60mL/min/1.73m2以上の患者の場合

血清カリウム値(mEq/L)用量調節
5.0未満の場合40mg1日1回の場合:維持
20mg1日1回の場合:40mg1日1回に増量※
10mg1日1回の場合:20mg1日1回に増量※
5.0以上5.5未満の場合維持
5.5以上6.0未満の場合40mg1日1回の場合:20mg1日1回に減量
20mg1日1回の場合:10mg1日1回に減量
10mg1日1回の場合:中止
6.0以上の場合中止

投与開始時のeGFRが25mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満の患者

血清カリウム値(mEq/L)用量調節
5.0未満の場合20mg1日1回の場合:維持
10mg1日1回の場合:20mg1日
1回に増量※
5.0以上5.5未満の場合維持
5.5以上6.0未満の場合20mg1日1回の場合:10mg1日
1回に減量
10mg1日1回の場合:中止
6.0以上の場合中止

※:eGFRが前回の測定から30%を超えて低下していない場合に限る

40mgは20mgを2錠投与してもよい

10mgと20mgの関係は以下のようになっています。

10mg錠と20mg錠の生物学的同等性は示されていないため、20mg又は40mgを投与する際には10mg錠を使用しないこと

ケレンディア添付文書より抜粋

しかし、20mgを2錠で、40mgとすることは問題ないとされています。

かばこ

40mgは存在しないこと、20mg2錠で試験を行っているため、こちらは問題ないようです。

振り返り

この記事では、ケレンディアの心不全適応追加に伴い、注意点に関してまとめました。

注意すべき変更点としては以下の通りです。

慢性心不全としてケレンディアを使用したい場合は…

  • 腎機能やカリウム値に応じて用量調節が必要
  • eGFR 25mL/min/1.73m² 未満の場合は禁忌となる
  • 開始に当たり、初回はエコー検査必須、レセプトに左室駆出率40%以下を記載
  • 慢性心不全の基本治療を行なっている
  • 糖尿病性慢性腎臓病の場合と、用量調節の基準が異なる

上記の情報が参考になれば幸いです。

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