緊張したり、不安を感じると下痢や便秘になったり、腹痛で悩んだりはしていないでしょうか?
私自身が過敏性腸症候群で悩んでいます。
- 過敏性腸症候群とは?
- 過敏性腸症候群に適した食事や運動
- 過敏性腸症候群におすすめの市販薬
過敏性腸症候群(IBS)とは
過敏性腸症候群とはどのような症状なのでしょうか?
簡単にまとめました。
過敏性腸症候群の特徴と症状
過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛や腹部の不快感を伴う消化器系の慢性的な疾患です。
具体的な症状には、腹痛、下痢、便秘や特徴的ですが、ガスの過剰な発生や急な便意が現れることもあります。
IBSの症状は非常に個人差が大きく、中には頭痛や吐き気、低調な気分といった精神的な症状を伴う場合もあります。
この症状は食事やストレスなどが引き金となって発生することが多く、日常生活において不便を感じる人も少なくありません。
過敏性腸症候群の発生メカニズム
過敏性腸症候群の発生メカニズムは、腸の動きが異常に敏感になることに起因しています。
通常、人の腸は食べ物の消化や排泄を助けるために一定のリズムで動きますが、過敏性腸症候群の場合、この腸の動きが通常よりも敏感になり、腹痛や下痢、便秘などの症状が引き起こされます。
また、心理的ストレスも腸の動きに影響を与え、症状を悪化させることがあるため、総合的な対策が求められます。
過敏性腸症候群の種類とそれぞれの特徴
過敏性腸症候群には主に4つのタイプが存在します。
下痢型は頻繁な軟便または水様便が特徴で、便秘型では硬くて排便が困難です。
混合型の場合は、これらの症状が交互に現れるため、治療や生活管理が特に複雑になりがちです。
それぞれのタイプによって必要な対策が異なるため、正確な診断が非常に重要です。
日々の食事や運動といった生活習慣の見直しや薬物療法により、症状の改善が期待できます。
市販薬での改善へのアプローチ
過敏性腸症候群に効果のある、手軽に始められる市販薬に関してまとめました!
市販薬は14日程度で症状が改善することを想定して販売されています。
市販薬の選び方
過敏性腸症候群(IBS)の症状に対して効果的な市販薬を選ぶ際は、症状のタイプ(下痢型、便秘型、または混合型)に注目することが重要です。
例えば、下痢型のIBSには腸の運動を調整する成分が含まれた薬が適しています。
選ぶ際には、薬の成分や効果、副作用を理解し、必要に応じて薬剤師や登録販売者に相談することも大切です。
主な市販薬の紹介
それでは具体的に過敏性腸症候群に効果のある市販薬をみていきましょう!
セレキノンS
15歳以上から、使用可能です。
1回1錠、1日3回服用します。
セレキノンSは、過敏性腸症候群(IBS)の症状を和らげる市販薬として広く知られています。
この薬は特に、下痢型、便秘型、混合型の症状に対して有効であり、主成分としてトリメブチンマレイン酸塩が含まれています。
購入前には専門の医師による過敏性腸症候群(IBS)の診断とチェックシートを用いた薬剤師や登録販売者による確認が必要です。
それほど副作用はない薬ですが、稀に肝機能への影響、胃部不快感などがおきることが報告されています。
ブスコパン
15歳以上から使用可能です。
1回1錠、1日3回まで使用できます
ブスコパンは、過敏性腸症候群の腹痛や腹部の不快感を軽減することで知られている市販薬です。
ブチルスコポラミンが主成分として使用されており、その腸内過剰な運動や痙攣をおさえ、下痢型のIBS改善をサポートします。
- 酔い止めの薬、ほかの腸の動きを止める薬との併用はできません。
- 閉塞隅角緑内障、前立腺肥大を診断されている人は症状悪化の可能性があるため、使用を控えましょう。
- 口喝、便秘、心悸亢進などの副作用が報告されています。
ビオフェルミン
5歳から使用可能です。
15歳以上の場合、1回3錠、1日3回使用します。
ビオフェルミンは、有用な4種の善玉菌を補充することで腸内フローラを整える市販薬として広く使用されています。
下痢型、便秘型のどちらにも有効で、腹痛に悩まされている過敏性腸症候群の患者に適しており、正常な腸の働きをサポートします。
ビオフェルミンを定期的に使用することで、IBSの症状の軽減が期待できます。
漢方薬による治療方法
漢方薬はドラッグストアで手軽に手に入り、副作用も少ないため始めやすい薬です。
それぞれの型に効果があるといわれている漢方薬を紹介します!
便秘型過敏性腸症候群への漢方治療
便秘型過敏性腸症候群は、便秘を主な症状としており、腹部の膨満感や硬く乾燥した便が特徴です。
このタイプの治療として、漢方薬が効果的な手段の一つとされています。
例えば、大建中湯(ダイケンチュウトウ)や六君子湯(リックンシトウ)は、腸の動きを正常化し、腹部の不快感を和らげる作用があります。
漢方薬は、それぞれの患者の体質や症状に応じたものを選ぶことが大切で、専門の漢方医に相談することが推奨されます。
水分を十分に取ることや、食物繊維を多く含む食事を心掛けることも重要です。
下痢型過敏性腸症候群への漢方治療
下痢型過敏性腸症候群では頻繁な下痢が見られ、これによって腹痛や体力の消耗が引き起こされることがあります。
この症状に対して、桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)や柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)が有効とされています。
腸の過敏性を和らげるためには、日常生活でのストレス管理も重要です。
趣味の活動や適度な運動、充分な休息を取ることで、心身のバランスを保つことが不可欠です。
また、刺激物の少ない食事を心掛けることが、症状の緩和に役立つでしょう。
大建中湯(ダイケンチュウトウ)の特徴と適応症状
大建中湯は、からだを温めて胃腸の調子を良くし、腹痛や腹部の冷え、腸のぜん動を改善する作用があります。
そのため、過敏性腸症候群の「便秘型」に特に有効です。
六君子湯(リックンシトウ)の特徴と適応症状
六君子湯は、「気」を補って巡りを良くすることで胃腸の働きを高める漢方薬です。
体力が中等度以下で胃腸が弱く食欲がない人や疲れやすく手足が冷えやすい人におすすめの漢方薬です。
四逆散(シギャクサン)の特徴と適応症状
四逆散は手足の冷えや腹痛が伴う過敏性腸症候群に効果的な漢方薬です。
体の内部から熱を発して循環を良くする作用があり、特に寒さを感じやすい方や冷え性の方に推奨されます。
また、ストレスによる精神的な緊張や不安を和らげ、腸の痙攣を緩和する効果も期待できるため、心因性の腹痛にも用いられます。
桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)の特徴と適応症状
桂枝加芍薬湯は、腹痛や腹部の張りを伴う下痢型の過敏性腸症候群に有効です。
この漢方薬は、体の中の血の流れを改善し、痛みを緩和します。
特に生理痛が伴う女性の腸の症状に役立つとされています。
また、体を温める効果があり、寒冷環境下での症状悪化にも効果的です。
柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)の特徴と適応症状
柴胡桂枝湯は、からだの熱や炎症を鎮めたり痛みをやわらげたりする作用があります。
さまざまな疾患に広く使用される漢方薬です。
体力中等度またはやや虚弱で脇腹からみぞおちにかけての不快感のある人に向きます。
また腹痛を伴う胃腸症状がある人にもおすすめの漢方薬です。
香蘇散(コウソサン)の特徴と適応症状
香蘇散は特に消化不良や食欲不振が見られる際に推薦される漢方薬です。
腸内のガスによる膨満感や不快感を解消し、食欲を増進させます。
過敏性腸症候群で起こる下痢や便秘の調整にも有効とされ、全体的な消化機能の改善に寄与します。
半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)の特徴と適応症状
半夏瀉心湯は、吐き気、嘔吐、胸焼けなどの胃腸の不調に対して使用される漢方薬です。
過敏性腸症候群においても、特に胃腸の上部に不快感を覚えるタイプの方に効果的です。
心と腸の関連性を重んじる漢方の理論に基づき、心の不安やイライラも緩和させる効果が期待されます。
甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)の特徴と適応症状
甘麦大棗湯は、精神的なストレスによる過敏性腸症候群の症状を和らげるための漢方薬です。
不安や緊張からくる腹痛や腹部の不快感を緩和し、精神的な安定を促します。
これにより、心因性の過敏性腸症候群にも効果を発揮するとされています。
さらに、睡眠の質の向上にも寄与することから、全身の調和と健康を促進する効果があります。
バランスの良い食事で腸を整える
過敏性腸症候群(IBS)の改善には食事内容が重要です。
FODMAPとは、小腸で吸収されにくく大腸で発酵しやすい糖質の総称で、発酵性・オリゴ糖・二糖類・単糖類・糖アルコールの英語の頭文字を合わせたものです。
このFODMAPが多く含まれた「高FODMAP食品」を過度に摂取すると、腹痛や下痢、便秘などの過敏性腸症候群の症状が悪化することが報告されています。
そのため、過敏性腸症候群でお悩みの方は、日頃の食生活を見直して改善してみましょう。
おすすめの食事内容
全粒穀物、野菜、果物をバランス良く摂取することが推奨されます。
また、プロバイオティクスを含む発酵食品も有効で、ヨーグルトやキムチなどがおすすめです。
また、過敏性腸症候群によいといわれている「低FODMAP食品」を紹介します。
- 米、玄米、十割蕎麦、ビーフン、フォー
- 卵、牛肉、鶏肉、豚肉、魚
- トマト、ホウレンソウ、カボチャ、ダイコン、ジャガイモなどの野菜
- 木綿豆腐
- メープルシロップ
- バター、マーガリン
- 緑茶、紅茶
食べると良くない食事内容
過敏性腸症候群の症状を悪化させる食材には注意が必要です。
高脂肪の食品、カフェイン、アルコールは腸の運動を刺激しすぎることがあり、IBSの症状を引き起こす可能性があります。
また、人工甘味料や加工食品に含まれる化学物質は腹痛やガスの原因となりうるため、これらの摂取も控えることが推奨されます。
「高FODMAP食品」とよばれる、過敏性腸症候群に人は控えた方がよい食品を紹介します。
食べ過ぎに注意しましょう!
- パン、パスタ、うどん、ラーメンなどの小麦粉製品
- たまねぎ、アスパラガス、長ネギ、ニラ、サツマイモなどの野菜
- ソーセージ
- 大豆、納豆、豆乳
- はちみつ
- 牛乳、ヨーグルト
- チョコレート、アイスクリーム
- ウーロン茶
食事時間と就寝時間との関連
食事時間と就寝時間は過敏性腸症候群の管理において重要な要素です。
特に、夕食は就寝の3時間前には終えることが理想的です。
定期的な食事の時間を設けることで、腸のリズムを整え、症状の改善に役立つことが期待されます。
適切な運動で腸の運動を調整
過敏性腸症候群(IBS)を抱える多くの方にとって、定期的な体操やストレッチは腸の調子を整えるのに役立ちます。
具体的にみていきましょう!
体操やストレッチの効果
軽い体操は腸の運動を活発化させ、下痢や便秘といった症状の改善につながることがあります。
また、エクササイズはストレス解消にも効果的であり、IBSの原因となるストレスの軽減にも寄与します。
運動の適切な時間と頻度
過敏性腸症候群の症状を管理するためには、運動の時間帯や頻度が重要です。
週に3〜5回、各30分程度の運動を心がけるとよいとされていますが、無理のない範囲で調整してください。
長時間の激しい運動は腸にストレスを与え、症状を悪化させることがあるため注意が必要です。
軽いジョギングやウォーキング、水泳などが有効とされています。
継続的に軽い運動を行うことで、腸の健康だけでなく全体的な体調も向上します。
過敏性腸症候群対策のまとめ
過敏性腸症候群(IBS)は、症状やタイプによって治療方法が異なりますが、主に食事療法、適度な運動、生活習慣の改善が基本です。
漢方による体質改善や軽度のものであれば市販薬で対応するのもおすすめです。
過敏性腸症候群の症状が強い場合、長期にわたって症状が続いている場合は早めに医療機関を受診しましょう!
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