薬剤師をずっとやっていると、もっと薬剤師以外の知識を深めたい!世の中、社会のことをもっと知りたい!という欲求にかられることはないでしょうか?
良くも悪くも、薬剤師という仕事に慣れてきてしまい、刺激がなくなってきたことが原因かもしれません。
私自身が読んでみて、知識欲が満たされて心に刺さったという書籍をどんどん紹介していきたいと思います!
すべて実際に読んだ書籍を紹介しています!
おすすめ度は5段階評価で、★~★★★★★までで表現しています。
行動経済学に関する本
行動経済学(behavioral economics)とは、経済学と心理学が融合した学問で、人間の「人々が直感や感情によってどのような判断をし、その結果、市場や人々の幸福にどのような影響を及ぼすのか」を研究する学問です。
行動経済学は経済学の新しい領域として、Amazon、グーグル、ネットフリックスなどの世界的に有名な巨大テック企業がこぞって取り入れているだけでなく、公的機関、小売業、金融系企業などからも注目を集めている学問です。
なぜ行動経済学に私自身が興味を持ったかというと、そもそもはマーケティングに興味を持ったからでした。
なんとなく購入、選択するように誘導されている、けれど訪問販売などと違い不快感を感じない、なぜだろう?と感じることが最近増えていませんか?
その謎を解き明かしてくれる学問です。
行動経済学が最強の学問である
おすすめ度 ★★★★★
350ページにわたる情報量の多い書籍なのですが、本書の中でも随所に行動経済学の仕組みが利用されているためか、非常に読みやすく、1日であっという間に読めてしまいます。
行動経済学の本は数冊読みましたが、この書籍が現時点で一番面白かったです。
わたしが毎日考えていること、ついやってしまうことがみんな書いてある!
自分で色々考えて、選んでいたつもりだったけど、実は人間という特性によるものだったのか…。
読んでいて思わずうめいてしまいました。
行動経済学に興味のある方は一読することをおすすめします!
サクッとわかるビジネス教養 行動経済学
おすすめ度 ★★★★
先ほど紹介した「行動経済学が最強の学問である」ほどの情報量はありませんが、その代わりに、簡潔に行動経済学の基本的な理論がカラーでまとめてあります。
そんなに書籍をじっくり読む時間はない、とりあえず概要だけは知りたいという方はこちらの本がおすすめです。
そういえばよく見かけるな…という行動経済学の理論が40種類程度、わかりやすく紹介されています。
この理論を知っておくだけでも、「あ、購入させようとしているな、気をつけよう!」という意識が働き、ついつい買いすぎてしまうのを防ぐことができるようになると思います。
ビジネス関係書籍
企業がどのように大きくなったか、なぜ成功する企業と失敗する企業があるのか気になったことはないですか?
会社を興すような人、長く継続できるような人は大卒ですらなかったり、いわゆる受験の世界でいう頭が良い人ではなかったりするケースが多々あります。
私自身は義務教育を受け、勉強し、薬剤師という学力があればなることができるような仕事についています。
そのため、何が私たちとはちがうのか、会社を興すような人はどんなことをして、何を考えて、何を学んでいるのかがずっと気になっていました。
たくさん書籍を読み、少しずつ分かってきた部分もあるのですが、まだまだ謎めいている部分も多々あります。
私自身が読んで心に刺さった、参考になった本を紹介していきます。
同じような疑問を感じている方に参考になれば幸いです。
世界のエリートが学んでいるMBA必読書 50冊を1冊にまとめてみた
おすすめ度 ★★★★★
経済関係の本はすこしかじったつもりになっていましたが、この書籍を読んで、まだまだこんなに面白い本があるのかと感動しました。
飛びつきやすいように『世界のエリートが…』などのキャッチがついていますが、普通の人でも興味をもって読むことができる書籍です。
50冊もあるため、すべてを読み切ることは難しいですが、興味を持った本が10冊程度あったため、時間をかけて読んでみたいと思います。
また、この著者は同シリーズを数冊出版しています。
この著者のおすすめするどの本も良書ばかりなのにも関わらず、わたしのいままでの人生では馴染みがなく、このシリーズを通じて知ったものばかりでした。
以下にシリーズも併せてご紹介します。
世界の起業家が学んでいるMBA経営理論の必読書 50冊を1冊にまとめてみた
おすすめ度★★★
世界的な企業を生み出す起業家たちが何を考え、学んでいるのか気になったことはないでしょうか?
ビル・ゲイツやジェフ・ベソスは天才で遠い存在だから気になったこともない。そんな人にはこの本は面白くもなんともないかもしれません。
私は厚かましいことに好奇心だけは旺盛なため、知りたくて堪りませんでした。
もちろん彼らが自分とは違う天才であることはわかっています。でも同じ人間のはずなのに何がこんなに違うのか?何を毎日考えているのだろう?そんな好奇心がありました。
世界的な起業家達がどのようなことを考えているのか、どのような本を読んでいるのか興味のある人は手に取ってみてもよいかもしれません。
世界のエリートが学んでいる教養書 必読100冊を1冊にまとめてみた
おすすめ度★★★
仕事に直結するような知識以外は興味ないよ…という方にはこの本はおすすめできません。
もしも「哲学」「歴史」「経済」「文学」「アート」「サイエンス」などリベラルアーツを、じつはもう少し学んでみたいと思っていたという方にはぜひともおすすめします。
この書籍では、100冊ものリベラルアーツに関する名著が紹介されており、著者のシリーズのなかでも群を抜いてページ数が多く、約700ページ近くもあります。
ただ、どれもひとつひとつの解説はわかりやすく、要点だけをまとめてあり、「高校時代になんか聞いたことあるな…、ああこういう書籍だったのか」とスッキリします。
1762年のルソーの『社会契約論』から始まり、アダムスミスの『国富論』、ダーウィンの『種の起源』、ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』、新戸部稲造の『武士道』、ケインズの『雇用、利子、お金の一般論』、カーソンの『沈黙の春』など聞いたことはあるけれど、内容が難解で重く、なかなか書籍そのものには手が出ないような本の内容をかみ砕き、現代風な視点も交えて解説してくれています。
ボリュームがあったため読み終わるのになかなか時間がかかりましたが、読み終わったころには謙虚な気持ちと新しい視点が増えるような素晴らしい書籍ばかりをとりあげているため、ぜひとも読んでいただきたい本です。
ZERO to ONE 君はゼロから何を生み出せるか
おすすめ度★★★
現代において、世界的なイノベーションをおこした創業者たちは、どんなことを考え、どのように起業したのでしょうか?
同じ人間とは思えないような圧倒的な差がある彼らですが、その考え方の一部を本書では知ることはできます。
世界のイノベーションを引っ張っているアメリカ、特に西海岸のシリコンバレーにおいて、次々と成功する企業を立ち上げる起業家集団があります。
オンライン決済サービス・ペイパルの初期メンバーとして繋がりが深く、現在もシリコンバレーで絶大な影響力を持つことから「ペイパル・マフィア」とも呼ばれる彼らは、ご存知ユーチューブ(YouTube)をはじめ、電気自動車のテスラ・モーターズや民間宇宙開発のスペースXからイェルプ(Yelp!)、ヤマー(Yammer)といったネットサービスまで、そうそうたる企業を立ち上げてきました。
「ZERO to ONE 君はゼロから何を生み出せるか」は、そのペイパル・マフィアの雄、ピーター・ティールが、母校スタンフォード大学で行った待望の起業講義録です。「ZERO to ONE 君はゼロから何を生み出せるか」紹介文より抜粋
世の中で言われている常識を疑うこと、調べること、考えることの重要性に気づかせてくれる良書です。
ビジョナリーカンパニー 時代を超える生存の原則
おすすめ度★★★
ビジョナリーカンパニーとは、もっと具体的に説明すると、「ビジョンをもっている企業、未来志向の企業、先見的な企業であり、業界で卓越した企業、同業他社の間で広く尊敬を集め、大きなインパクトを世界に与え続けてきた企業」のことです。
具体的にどのような企業でしょうか?
本書では、ボーイング、GE、ウォルト・ディズニー、メルク、ソニー、ウォルマートなどの18の企業を具体歴としてあげています。
ビジョナリーカンパニーは、ただ、「成功した」「長く続いている」という企業というだけでなく、業界の超一流企業として何十年もの間、その地位を保ち続けられるのはなぜか、崇拝されているとすら言えるレベルにあるのは何故か、その共通点に関して調査しているのが特徴であり、本書の面白いところだと思います。
結論としては、
- 利益を超えた基本理念
- 世代を超えて基本理念を徹底的に守り抜く仕組み
- カルトのような文化
- 大量のモノを試してうまくいったものを残すという手法
- どんなに成功しても決して満足しないハングリー精神リスト
などが重要ポイントとなっているのですが、それに関して具体的にさまざまな考察が記載されています。
個人的には、J・ウィラード・マリオット・シニアのセリフが心に残ったので、ここに忘れないように書き留めておきたいと思います。
世の中でいちばん大切なものは、自己を律することである。自己を律することがなければ、人格は形成されない。人格が形成されなければ進歩はない。逆境は成長への機会になる。そして、なんのために働きかで、成果は変わってくる。問題があり、それを克服できれば、人格が養われ、成功をもたらす質を獲得できる。
J・ウィラード・マリオット・シニアのセリフ|ビジョナリーカンパニーの文中より抜粋
ビジョナリーカンパニー② 飛躍の法則
おすすめ度★★★★★
「ビジョナリーカンパニー」の続編ですが、続編でありながら前編でもあるという特殊な本です。
ビジョナリーカンパニーはスタートから偉大な企業でした。では、良い企業ではあるものの、偉大な企業ではない企業はどうすればよいのでしょうか?
リーダーの資質、人材の選択の仕方、粘り強さ、正しい分析、技術の利用の仕方、時代の変化にどのように対応するかなど、「良い企業から偉大な企業へと変化した企業」を分析して共通点を洗い出しています。
結果的に、これらの共通点の洗い出しが、ビジョナリーカンパニーになるための道を指し示すこととなり、前作の「ビジョナリーカンパニー 時代を超える生存の原則」の前編に位置する内容となっています。
ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代
おすすめ度 ★★★
仕事に対する
「最上(ベスト)の構え」がここにある!
――監訳者・楠木 建「独創性」は、与えられるものではない。すでにあなたの中に存在するのだ――
◎なぜ、人は「可能性の高い企画」にダメ出ししがちなのか
◎あるアップル社員が、スティーブ・ジョブズに猛反論して成功を収めた理由
◎「うちの会社に投資すべきではない理由」を説明し、巨額の資金を得た起業家
◎「やさしい上司」より「トゲのある気むずかしい上司」に
◎部下に「解決策」を求めてはいけない …etc.「本書は、“本性”としてリスクを回避しようとする“ふつうの人々”が
(ふつうの人だからこそ)、流れに逆らう不安や恐怖をはねのけて、
“オリジナルな何か”を実現させるためのさまざまなヒントを数多く含んでいる」
(「監訳者のことば」より)
この書籍には、固定概念や常識だと考えているものが本当に正しいのか考えさせる力があります。
少し言い回しが難しく、理解が難しいところもありましたが、視点を変えることの大切さに気付かせてくれた本です。
心理学に関する書籍
心理学とは、人間の取扱説明書のようなものであり、動物においては飼育図鑑、植物においては育て方に類似したような非常に深い、そして本来は皆が基本的なことは知っておくべき学問であると感じています。
しかしながら、学校では心理学に触れる機会がまったくなく、人間がどんなときにどのように感じるか、親や先生から伝聞されるのがすべてであり、なかには実は誤った考えが含まれている場合もあります。
そのような偏見をとりのぞくためにも、ある程度心理学に関する書籍を早いうちから読んでおくのは非常に役立つと思います。
人を伸ばす力
おすすめ度★★★★★
一時的ではなく、長期に及んで望ましい行動、例えば「こどもに学び続けてほしい」などを行ってもらうにはどうしたらよいのでしょうか?
親や部下をもつ人なら一度は悩んだことのある課題だと思います。
その問いに対して、幼少期にだれが持っていた好奇心、内発的動機を伸ばすことが有効なのではないかと考え、報酬、罰、規律、締め切り、競争などはその内発的動機にどのように影響を与えるのか調べた研究結果です。
ソマ・パズルとよばれる「世界一のキューブパズルゲーム」を用いて、人間が内発的動機で夢中になってやっている場合、報酬や罰、競争などの外的要因が加えられたらどうなるのかを考察しています。
結論としてはこれらの外的要因は内発的要因を阻害してしまうのですが、人を伸ばすにはどうしたらよいのか考えている人にヒントになることがたくさん書いてあるため、おすすめの書籍です。
子どもの能力を伸ばす方法、部下の能力を伸ばす方法ののみならず、医師が患者の服薬コンプライアンスをあげる方法などにも言及しています。
自信をもって読んでよかったと思える本です。
運のいい人の法則
おすすめ度★★★★★
あなたは自分自身が運がいい人間であると思いますか?
世の中には運のいい人と運の悪い人がいます。ツキのある人生とツキのない人生はいったい何が違うのでしょうか?
その問いに対して、英国の心理学者リチャード・ワイズマン博士は運を科学的に解明しようと、10年もの歳月をかけて研究しました。
その「四つの法則」に関して例をあげながら具体的に、わかりやすく説明してあります。
私自身は比較的運のいい人間だと思っていますが、最近娘が1万人にひとりの難病にかかり、「運とはなんなのか」「私は果たして運のよい人間なのか」など疑惑が生じ、読んでみました。
内容的には非常に読みやすい書籍なので、ぜひ一読することをおすすめします。
サイコパスの真実
おすすめ度 ★★★★
人当たりがよく、優しい言葉をかけ、魅力的な人柄。だけど、よくよく付き合うと、言葉だけが上滑りしていて、感情自体は薄っぺらい……。このような人格の持ち主を「サイコパス」と心理学では呼ぶ。近年、犯罪者の脳の機能や構造などが明らかになり、サイコパスの正体が明らかにされつつある。本書では、最先端の犯罪心理学の知見にもとづいてサイコパスの特徴をえがき、ヴェールに包まれた素顔に迫る。
サイコパスの真実 紹介文より抜粋
この人サイコパスかもしれない…。そう感じたことはないでしょうか?
人の痛みに対する共感力が低く、道徳観がなく、息を吐くように嘘をつくため信用できない…。
だけどプレゼン能力が高く、一見リーダーにふさわしい魅力的な人は身近にいないでしょうか?
そんな人はサイコパスかもしれません。
この本を読んだだけで、専門家になれるわけでもないのでレッテル貼りは要注意ですが、「もしかしたらサイコパスかもしれない」という人が近くにいる場合は一読してもよいかもしれません。
「GRIT やり抜く力」人生のありとあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
おすすめ度 ★★★★★
私たちは子どもに対して、いい人と結婚してほしい、いい大学に入ってほしい、そのためにはいい成績をとってほしい…などなど口には出さないですが、さまざまな期待をもっています。
どんな人にも失敗、困難、試練、逆境は訪れます。小さいときにどんなに親が守っても、いずれ子供たちは自分の力でそれらの困難と向き合い、乗り越えなければならないときが来ます。
困難を乗り越え、何度でも立ち上がり、一歩ずつでも前に進む。興味のある重要な目標に、粘り強く取り組む。そんな「やり抜く力GRIT」を手に入れるためにはどうしたらよいのでしょうか?
本書では、「やり抜く力」の秘密から、「才能」では成功できない理由、さまざまな一流の人がしている当たり前のことから「やり抜く力」とは何なのかを考察し、どうしたら「やり抜く力」を手に入れることができるのかまでを沢山の事例を基に解説しています。
著者はアンジェラ・ダックワーズというペンシルベニア大学心理学教授です。この著書で「マッカーサー賞」を受賞しています。
ダックワーズ教授の研究は、多数の学術専門誌のほか、「ニューヨーク・タイムズ」「フォーブス」「タイム」をはじめ、さまざまな雑誌で取り上げられているだけでなく、この著書は異例の世界的ベストセラーとなっています。
GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代
おすすめ度 ★★★★
最近、ギバー、テイカーなどという人の分類方法をニュースやSNSでよく見かけるようになりました。それらの発端となったのがまさにこの書籍です。
人間を3つのタイプ「ギバー(人に惜しみなく与える人)」「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」「マッチャー(損得のバランスを考える人)」に分け、もっとも成功するのは誰だろう?そしてなぜなのかに関して解説しています。
「ギブ&テイク」とは、この世の中を形成する当たりまえの原理原則に思えます。
しかしこれからの時代、その“常識”が果たして通用するのでしょうか?
わたしは自分自身をギバーを尊敬しているマッチャーだなと思っているのですが、ギバーの考え方、視点、なぜ損をせずに最終的には成功するのかなどの考察が非常に参考になりました。
ギバーになるのには修業が必要そうですが、余裕のある時はもっと他者の幸せのために行動しなければならないと感じました。
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