零売って知ってた?医療用医薬品が病院に行かずに手に入ります!

患者さんにとって役立つ情報

 

零売は今後伸びてくる可能性があるのではないかと思っているので、知らない方のために解説します。

零売って何だろう?

零売とは医療用医薬品を薬剤師が必要分だけ処方箋なしに販売することです。

医療用医薬品とOTC医薬品の違い

医療用医薬品は基本的に医師に医療機関で処方箋を発行してもらい、調剤薬局で調剤してもらう薬です。

OTC医薬品はOver The Counter:オーバー・ザ・カウンターの略で、基本的に第1類から第3類まであり、ドラッグストア、調剤薬局などで処方箋なしに購入が出来る薬のことです。一般的にすぐに購入できる薬のイメージはこちらの方だと思います。

医療用医薬品を処方箋なしに販売することは犯罪ではないのか

出典:いらすとや

テレビのニュースでも、薬局で許可なしに処方箋医薬品を従業員に販売して業務停止処分になったニュースが報道されているので、そういう疑問を持つのももっともな事です。

しかし処方箋医薬品でなければ医療用医薬品は薬剤師の判断で販売することが出来、それは行政処分の対象になりません。

処方箋医薬品は医師の処方箋がないと販売できないが、それに該当しない医療用医薬品は販売可能

医療用医薬品には、処方箋医薬品以外の医薬品が数多く存在し、それらの医薬品については零売することができます。

実は以前より薬局間では薬の不足などがあった場合などに売り買いなどは行われていました。それが2005年から「原則」として、「効能・効果、用法・用量、使用上の注意などは医師、薬剤師などの専門家が判断、理解できる記載となっているなど医療において用いられることが前提」としながらも、条件付きで零売を認める動きが出てきて、2009年施行の薬事法改正により、薬局医薬品の小売りは薬局にのみ認められ、その他の医薬品販売業者での販売は禁止されることとなりました(薬機法第27条・第31条・第34条第3項)

wikipedia参照

つまり、薬剤師のいる調剤薬局であれば、処方箋医薬品以外の医療用医薬品であれば分割して必要分だけ販売可能になったのです

処方箋医薬品以外の医療用医薬品とは具体的にどんなものがあるか。

塗り薬のステロイド(ロコイド軟膏やリンデロンVG軟膏など)、ビタミン剤、漢方医薬品、痛み止め(NSAIDs(ロキソニン等)、カロナール、貼り薬)下剤(マグミットなど)など結構色々なものが該当します。15,000種類ともいわれる医療用医薬品のうち、ほぼ半数近くにあたる7,300種類を処方箋なしで買えると言われています。

処方箋医薬品かどうかは添付文書をみれば書いてある

添付文書の一番上の部分に処方箋医薬品と書いてある場合は、販売することのできない医薬品になります。

処方箋医薬品はどんなものがあるか

降圧剤、高脂血症治療薬、向精神薬(眠剤を含む)、抗ウイルス薬、抗生物質などの乱用により危険が高いもの、効能の強いものは基本的に処方箋医薬品に該当していると考えた方がいいです。

かばこ
かばこ

処方箋医薬品に該当する、これらの薬は、残念ながら零売で購入はできません。

病院で処方してもらわずに零倍薬局を利用するメリットとデメリット

出典:いらすとや

メリット

  • 零売薬局では薬剤師のカウンセリングを受けることで医療用医薬品を対面販売で購入できるため、「病院などへ受診する」必要がありません。受診をするというステップを踏まないため、受診料を節約することができます。
  • 病院などへの受診を必要としないため、病院への予約をはじめ、通院にかかる時間を短縮することができます。
  • 零売薬局であれば、処方箋を必要としないため、医療用医薬品をいつでも購入することができます(4日以内に取りに行かないといけないなどの縛りがありません)

デメリット

  • 保険が効かないため場合によっては医療費と薬剤費を合わせた普段の支払い額よりも高くなる場合がある。
  • 医師のアドバイスを聞くことが出来ない
  • まだまだ出店数は多くないので、住居付近に零売薬局がないことがある。

普通の調剤薬局では零売で売ってくれないのか

調剤薬局内で、勤務しているスタッフに対して、そこにいる薬剤師の判断で販売している薬局はあります。(会社の社長の判断によるため、許可していない薬局もある)

しかし一般的には調剤薬局で医療用医薬品は販売していないと思います。(法律的に不可能というわけではなく、会社の判断です。)

ただ、コロナワクチンの副作用予防で一時期ドラッグストアでアセトアミノフェンの品薄が続いていたときには、調剤薬局でも、”必要な人には売ろう”というような動きがありました。

OTC医薬品とどっちがいいの?

出典:いらすとや

個人的には零売薬局とドラッグストアがあったら零売薬局に入るかもしれないです…

  • 医療用医薬品の方が種類があるので、OTC医薬品になってないものも手に入る
  • OTC医薬品は基本的に合剤になっているので、不要な成分が含まれていることが多い(咳がないのに風邪薬には大体せき止めが入っています)医療用医薬品は単剤が多い。
  • 医療用医薬品の方が安く価格設定されていることが多い

具体的な零売薬局の紹介

私の調べたところ、セルフケア薬局が一番店舗数が多く、駅ナカにも出店するなどこれから伸びてくる薬局のように感じました。ただ、医療用医薬品の通販はまだどちらの薬局も着手しておらず(薬局アットマークさんが以前行っていたが中止した?)、まだ行動圏内にこのような薬局がない場合はなかなか利用できないのが現状のようですね。

くすりやカホン(北海道札幌市)

かすみ園薬局(北海道函館市)

カツミレ薬局(宮城県仙台市)

セルフケア薬局(全国チェーン。都内に7店舗)

オオギ薬局(首都圏に3店舗)

達生堂薬局(東京都千代田区)漢方にも力を入れています

アリス薬局(大阪に2店舗)

薬局アットマーク(新潟県)

AMI薬局(富山市)

 

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