誰にでも出来る!医師から聞いた!自分の症状を上手く伝えるコツとは?

患者さんにとって役立つ情報

毎日患者さんと接していて思う事なのですが、医師に病状を伝えるのがうまくない患者さんが多いな…ということ。

日々医師に疑義紹介したりトレーシングレポートを書く際に、「医師にとってわかりやすく、医師の権限を侵害しないように書くには…」という事を常に意識している薬剤師の立場で感じていること、こうしたらいいよ!という方法を教えます!

かばこ
かばこ

職場の医師にも確認をとってみました

患者さんは大体2種類の人に分けられる

医師を敬い恐れる患者さん

医師を信頼すると同時に、恐れている患者さんが一定数います。患者さんの8割方はこちらのようなタイプでしょうか。

このタイプの患者さんはあまり多くのことを医師の前で伝えません

そのような患者さんが考えていることは、下記のような事かなと思います (日々投薬時に接していてお話を聞いていて感じる事) ↓

・医師に対して口答えしたり、余計な事を言うと怒られるから、控えめに我慢して言わないといけない。

・医師は頭がいいし、今どきは機械で色々な検査も出来るから、大して伝えなくてもなんでもご存知で診断できているはず。

・専門知識がないので、よくわからないから。何か言うと失礼に当たる。先生が言うとおりにしていれば問題ないはず。

かばこ
かばこ

私たちも、どきどきしながら疑義紹介しているので、気持ちはとってもよくわかります!

このような患者さんの問題点

  1. 必要な情報が医師に伝わらない。
  2. いよいよ状態が悪くなってから医師に言うので、更に治療が困難になる。
  3. たまに誤診に繋がることがある。

とにかく自分のことを訴えたいあまりに話が長すぎる患者さん

高齢の為認知症が進んでいる患者さん以外にも、話が長くなりすぎて要点がぼやけている患者さんがいます。このような患者さんが考えていることは…

・とにかくつらい症状を聞いてほしい。わかってほしい。

・一からすべて説明しないと、きっと先生はわかってくれない。しっかりと診断してもらえない。

・しっかりと間違えなく診断してほしい

・もともと少し話が長い傾向があり、要点をつかむのが苦手

このような患者さんの問題点は

  1. 医師がイライラして聞く気がなくなる。
  2. 結局どの情報が重要で、本人が一番気になっているのかわからなくなる。

口頭で全てを伝えるのは、良い方法ではない

高齢者ばかりでなく、若い人でも口頭ですべてを説明しようとする人が多すぎます。

口頭で全て説明するのは、なぜあまり良い方法ではないのか

医師の仕事の仕方としては、

  1. 患者さんのカルテを読んで、前回の事を思い出す 。
  2. 患者さんの話を聞きながら、要点を自分なりにまとめてカルテに記載する。
  3. 必要な検査を行い、自分の知識と組み合わせて診断を出し、それに必要な処方をだす。これもすべてカルテに記載する。
かばこ
かばこ

話の長い患者さんだと、要点や重要ポイントがぼやけます。

聞いているうちに医師の集中力が落ちてきて、疲れている場合は聞き逃すこともあります。

正直、イライラすることもあります。

かばこ
かばこ

患者さんからすると数分の出来事のようですが、この間に医師の頭の中では下記のように様々なことを同時に考えています。

  • 患者さんの訴え
  • 検査結果
  • 処方した薬の内容や量が間違っていないか、日数が間違えていないか、必要なコメントは書いているかどうか。

医師は様々な事を一度にやらなくてはならない。患者さんの話を聞くのは実はとても大変!

「昨日からお腹が痛い。下痢が出た。」ぐらいの情報であればさほど処理に手間取ることはないでしょう。

しかし「1か月前から吐き気がして、腹痛も出て、それが2~3日続けて、そういえば腰痛もあって…」と話が長くなってくると、脳内で沢山の情報を処理しながら、話を聞くことはとても大変です。

かばこ
かばこ

しかもそんな患者さんを次から次へと相手にしなければなりません。

医師によってはイライラして最後まで聞いてないのではないかと思われます。

たまに怒られている患者さんもおられます。

医師の一番の仕事は何なのか。

それは患者さんであるあなたの病気を、正しく診断して治してくれることだと思います。

先生がゆっくり話を聞いてくれること、柔和であることを重視している患者さんもいらっしゃいますが、話を聞いているふりをしていただけで、全く聞いていなかったなんてこともよくあります。

性格の温厚な先生と腕のいい先生は別物なこともよくあります。

メモに、箇条書きで簡潔に、症状を書いて持っていきましょう

特に訴えることが多く、医師も色々な事を考えなくてはならない初診時はぜひ持っていきましょう!

出典:いらすとや

可能であればWordで。難しいようであれば、見やすければ手書きでも構いません。

私はこれで医師から感謝されたことが多々あります。何故なら、このメモのお陰で、医師は患者さんの話を一から聞くことなく、カルテにもゆっくり記載できるからです

そして患者さん自身も紙に書くことによって、自分がどういった症状に悩まされているのか、客観的に考えることができます。

①まず自分がこれだけは先生に聞いておかないと不安になること、気になっていること、症状を4つ程度くらいまでに絞り、簡潔に書きましょう(一つの質問は1~2行程度が目安です)

時系列で痛み、吐き気、下痢、食欲、睡眠などの生活に支障の出る症状がどういった時期に出たか、どのくらい続いているか簡潔に書きましょう。

医師はそういった症状から病名を判断するだけでなく、患者さんたちに必要な薬やアドバイスをくれます。

この時の注意点としては

急性期の症状であれば1週間程度を目安に、長くても1か月程度の症状を書くこと。

慢性的なものであればざっくりと時期を書くようにし、細かいことを沢山書きすぎないこと。

例えばこんな感じです。

お伺いしたいこと

①眠れない、腹痛、吐き気、頭痛、幻聴があります。特に眠れない症状がつらいです。

②会社を一時休職してしっかり病気を治したい。診断書を書いていただく事は可能でしょうか?

症状が起きた時期と症状の経過

2020.11~ 朝方起きられなくあることが。吐き気がする。この頃からたまに会社を休むように。

2021.1~ 腹痛と頭痛が出るようになる。市販薬(ロキソニン)を服用し落ち着く。頻度は週に2回程度

2021.2~ ロキソニンを服用しても頭痛と腹痛改善せず。幻聴が聞こえるようになる(誰かが自分を見ている気がする、それじゃだめだと責められる)

2021.3~眠れなくなる。朝方まで起きていることもあり辛い。会社でも仕事にならず、休みがちになっている。

症状によっては、1ページでおさまらないこともあるかとは思いますが、なるべく重要ポイントを絞って、簡潔に書くように心がけてください。

かばこ
かばこ

大体の先生はこのような紙をもらってお怒りになることはありません。

私は今のところ何回かこの方法をとっていますが、感謝されたことはあっても怒られたことはありません。

どの先生にも「カルテに挟んでおくから」といわれてお渡ししました。

先生に怒られず、少しでも正しい診断を下してもらうために、一度このような方法も使ってみてはいかがでしょうか。

高齢でメモを書くのが難しい…

ご家族に協力して貰えそうであれば、頼んでみましょう。

ご家族であれば色々症状などを話しやすいと思うので、事前に気持ちの整理を手伝ってもらいましょう。

看護婦さんがそういった役割を果たしてくれる病院もあるようですが、看護婦さんも人手不足でそこまで手が回らない…という事もあるようなので。

ご家族が近くにいない場合は、薬局でも医師に伝える手助けをしています!

こういったメモ書きとは違うものになりますが、薬剤師から医師に対して「トレーシングレポート」というものを提出することが出来ます。

3割負担で100円程度の料金がかかってしまいますが、患者さんが医師に伝えたいこと、言いそびれたことなどを次回の診察前には伝わるように、専門家としての知識も併せて手紙を書いてくれます。

まとめ

投薬していると、患者さんが医師とのコミュニケーションに苦慮している話を聞くことが沢山あります。

単なる風邪症状であればその医師以外にも選択肢はありますが、難病であるほど簡単に診てくれる医師がおらず、その医師とのコミュニケーションが大切になってきます。

医師と良好な関係を築くためにもぜひやってみてください。

 

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